早朝、仕事が始まる前の時間帯と仕事が終わってからの夕方にプノンペン都内を歩くと、風通しが良い公園や道路沿いの緑地帯で音楽を流してエアロビクスをする人々の姿がみられる。約20年前からプノンペンで流行り始めたエアロビクスのグループ活動。この活動に参加している都民とインストラクターの思いを伺った。
チア・キムイーさん(36)は、プノンペンで元々はある会社のアシスタント・マネージャーであったが、現在はエアロビクスのインストラクターである。兄がエアロビクスのインストラクターで、自分もいつの間にかインストラクターに関心を持つようになったという。「私はプルサット州出身で、プノンペンに上京してから住民が健康のために朝と夕方に運動していることを知り、2006年から兄やっていたこの仕事を受け継いで、人々が集まる公園でインストラクターになりました。そもそもは、時間を持て余したときに友達を誘って公園で兄が教えるエアロビクスに参加したのがきっかけでした。」都民が公園で運動を好む理由について、ジムよりも開放的な雰囲気のなかで運動しながら周りの自然の空気を楽み、友達や家族と連れ立って気軽にエアロビクスの音楽のリズムに合わせて体を動かせ、体の調子を整えるだけでなく気分転換になるからではないかとキムイーさんは語った。
さらに公園でのエアロビクスはジムよりお金の節約もできるとキムイーさんは言う。「教え始めてから現在まで約20年間となりますが、当初は一回に500リエルを頂いていました。2010年頃から値上げして1人あたり1000リエルとしました。現在は多くの人々に知られるようになり、参加者からは基本的には1人3000リエルで参加して頂いています。」公園でのエアロビクスのグループ活動は、ボランティアの気持ちも持たないといけないとキムイーさんはいう。商売より都民と共に音楽で楽しむという気持ちでやらないといけないそうだ。「こちらが価格設定していても、実は今でも1000リエルか1500リエルしか払えない人もいるわけです。そういう人も受け入れて、みんなで体を動かして楽しもうというモチベーションを持つ人々が毎日足を運んでくれることがとても大切です。多くの人が参加してくれることは、とても嬉しいことです。」
前よりもはるかに運動を好む都民が増えているとキムイーさんは語った。「教え始めた当初は多くの人が人前でエアロビクスをすることに恥ずかしいという気持ちがあって、参加者がなかなか集まりませんでしたが、今とは違います。エアロビクスで体をさらにスマートにしたいという若者はもとより、年配の方々も多く参加してくれています。」
エアロビクスの運動会に参加する人の思いとは?
朝晩都内を散策している、公園でエアロビクスをする人々の姿が目に入る。激しい体の動きは苦手という人や、みんなで風通しが良いところで軽く体を動かしたい人など、年齢を問わず手軽にこのグループに参加できる。参加した人の思いをご紹介したい。
ワン・ラターさん (22)はプレイヴェーン州出身で、現在は土木工学を専攻する大学4年生である。2019年にプノンペンに上京し、住み始めてから運動が好きになったという。都会での日常生活は田舎と違いが多くあった。日々の生活で退屈を感じ、ストレスたまっていたという。「プノンペンに上京して住み始めると、大学の勉強以外に楽しめることが見つからず、家族もいなくて寂しくなっていました。そんな時、街の雰囲気を楽しみながらストレスを軽減できる公園でのエアロビクスに関心を持ちました。他の人と話をしたり、友達作りもできるので、次第に頻繁に参加するようになりました。」
ラターさんは、ジムで筋肉を鍛えるのも自分と同世代の若者にはトレンドで、自分自身もそれを趣味としていると言う。ジムとエアロビクスに通って身体づくりをしながら精神的なストレス解消しながら健康を保つようにしているという。
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