カンボジア生活情報誌「NyoNyum(ニョニュム)」129号を発行しました!
今回の特集は、「クメールの伝統治療とはどんなもの?~クメールの薬草とクル・クメール(薬草師・薬剤師)による治療の現状~」です。
「クメールの伝統治療とはどんなもの?~クメールの薬草とクル・クメール(薬草師・薬剤師)による治療の現状~」
熱帯地域に位置しているカンボジアには薬草として使用できる植物が数多く生育していると言われている。薬草で治療をするのは大昔からのクメールの伝統文化でもある。現在では近代的な治療技術が進歩しつつあるものの、地方の農村部ばかりではなく、都会のクメール人の中にも、昔から伝わってきた伝統治療である薬草と薬剤を依然として信頼する人たちがまだいる。
1979年のポル・ポト政権からの解放後に生き残っていたクル・クメール(クメールの薬草師)は約500人いたと言われている。保健省は、地方においては伝統医薬と治療法が依然として庶民の日常生活に必要だと認識しており、クル・クメールの薬草師・薬剤師を育成する研修コースを開設してきた。
一方、植物から扱った薬草の知識が代々薬草師に伝わっている。クメールの薬草を狩る者も、販売する人も、薬草の植物に詳しい上に、周辺の使用者から信頼もある。クメールの薬草現状と、代々に伝わってきた伝統医学を扱うクメールの薬草師による治療法のあれこれをご紹介したい。
編集後記
近代治療が進んでいる現在ですが、地方に行くと伝統治療に依存するクメール人がまだまだみられます。薬草という自然の植物をクル・クメール(クメールの薬草師・薬剤師)が代々伝わって来た伝統治療として使い、人々の病を治療してきました。このような伝統治療は、現代の治療法の観点からは理解しがたいかもしれませんが、薬草と伝統治療に対して昔も今もそれなりの効果と信頼があるからこそ、クメールの薬草と伝統治療の存在があるのでしょう。
薬草になる植物の紹介にあたっては、環境大臣のホームページに記載されていた薬草の利用法を使わせて頂きました。薬草師によると、同じ薬用植物であっても一つの効果に限らず、使い方により様々な効用があるそうです。したがって、特集の最初のページに記載した植物の紹介は、一般にクメール人が信用する効果と使い方を紹介したものだと思って頂けると幸いです。
今回の特集の記事をお読みになると、現代社会ではあり得ないという治療法が出てくるかもしれないですが、クメール人が治療の拠り所として来た薬草にまつわる薬草師・薬剤師が持つ伝統治療の現状の一端が伝わると嬉しいです。(ノップ ヴィサール)
特集の目次:
▲ 薬草対象のクメール植物って?
▲ クメール薬草採取の仕事とは?
▲ 薬草の商売とは?
▲ クル・クメール協会の会長インタビュー
▲ 田舎で昔ながらの伝統治療法で住民の病を診ているクル・クメール
- 骨折や捻挫など治療をするクルー・クメール
- 唾を吐いて肌の病気を治療するクルー・クメール
▲ コークチョールによる伝統治療法とは?
▲ 人々の間で伝えられる謎の治療?!
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