水祭りに集まるクメール庶民の思い
水祭りに集まるクメール庶民の思い
2024.01.08

3日間の水祭りには、カンダール州やプレイヴェイン州などプノンペン周辺の各州ばかりではなく、全国各州から水祭りを楽しむために上京した観戦者が多くいた。カヌーレースや夜の灯篭流しと花火を眺める人混みの観客や、王宮前の広場を散歩する人々、路上販売者やゴミ収集員など皆にニョニュムスタッフが一言を取材してきた。

 

カヌー団の応援を主に家族全員でプノンペンに上京した!

コンポントム州から来たホル・ニーさん(57)。水祭りのためにプノンペンで勤めている二人の娘の寮に滞在した。カヌーレースの鑑賞は今回が初めてだが、以前はカヌー選手として参戦したことがあったニーさん。今回は息子二人が選手として参戦するため、応援のために家族全員でプノンペンに上京したという。「二人の息子がチャトロク・テチョウ・センチェイというカヌー団に所属しているため、家族全員で上京して応援してきました。昨日と今日は2戦とも勝利しました。明日の最終戦に期待しています!」ニーさんの応援するカヌーは定員約70人の長いボートで元の観光大臣であるトン・コン氏に主がスポンサーだという。昨日も今日もカヌーレース鑑賞の後は夜の灯篭流しを家族皆で鑑賞し楽しんだという。

 ニーさんと後ろに映った奥さんと娘さんたちと一人の孫さん

水祭りにはいつも家族を連れてプノンペンに上京するというチュウン・チョンさん(58)はプレイヴェイン州からやって来た。今年は子供と幼い孫を含む家族全員で、王宮前の広場からカヌーレースの観戦をした。プノンペンで仕事している子供のところに宿泊しながら3日間水祭り満喫し、帰省する予定だという。今年の水祭りについてチョンさんは、「今年は私の村から定員約70人のカヌー団が出たため、それを楽しみに鑑賞しにきました。昨日はちゃんと2戦とも勝利を収め、今日もぎりぎり勝利が獲得できたので、明日も期待しています!」と語った。3日目までカヌーレースの鑑賞と夜の灯篭流しと花火の鑑賞を楽しんできたチョンさんは、二日間とも交通渋滞の問題もなく、以前より行事の準備が良く改善されていると褒めていた。

 チョンさんと後ろに映ったお子さん夫婦と2人の孫さん

 水祭りを契機に家族をプノンペンに連れてきた!

プノンペンに10年住んでいるプレイヴェン州出身のキム・サムナンさん(41)。水祭りの3日目の朝、王宮前の広場で子供と妻の写真撮影をしていた。サムナンさんは水祭りの休暇を利用して、田舎から子供一人と妻を連れて3日間プノンペンに滞在した。水祭りにはいつも妻と家族をプノンペンに連れて来るというサムナンさんは、今回のフェスティバルは前回より秩序が良くなり、楽しめるところも増えたと言う。「今年のウォーターフェスティバルにはノリエ島の新しいコンクリート橋があって前回よりあまり渋滞が酷くない印象があります。王宮までの辺りは人混みが多いですが、閉鎖されたエリア以外では交通渋滞がありませんでした。また、夜は王宮前の灯篭流しを見てから、ノリエ島の新しいリバーサイドで散策したりできて、フェスティバルを満喫しています。」王宮前の広場で家族の写真を撮影してから、イオンモールへ行き、午後は妻と子供が帰省するという。

 王宮前で撮影したサムナンさんと家族

親戚の子供たちを王宮前の広場で散策に連れていた3歳の息子を背負ったカーン・ソピアさん(28)は、プレイヴェイン州からやってきた。今回の水祭りは初参加だというソピアさんが自分の楽しみ方について次のように教えてくれた。「ウォーター・フェスティバルのために田舎から親戚と子供が十数人一緒にトラックでプノンペンに来ました。午後から夜にかけてはカヌーレースと灯篭流しの鑑賞の他、ワット・ボトゥムの前広場でコンサートを見に行ったりしていました。」

 
3日目の朝、王宮前で散歩していたソピアさんと親戚の子供たち

数年前にプノンペンに上京してリバーサイドのレストランで働いているパク・チンリーさん(20)は、祭りの3日目に田舎から上京した来た妹(15)を朝の散策に連れてきた。今回のウォーター・フェスティバルの印象を次のように言っていた。「実は今回の水祭り参加は自分も妹も初めてで、夜の灯篭流しがとても素晴らしかったです。王宮前周辺の他は、ワットプノンにも見どころとしてとても良いから是非見に行きたいです。ゴミで汚いところもあまり見られないので、とても良いフェスティバルだと思います。」

 チンリーさん(右)と妹さん

 水祭りを少しでも稼ぎに上京した!

 王宮前の広場で路上の飲み物販売をしたサリーさん(46)が水祭りでプレイヴェイン州からプノンペンにやってきた。プノンペンで建設作業員として働いている旦那さんの誘いで3日間プノンペンの水祭りに上京したという。祭りで多くの人が集まるので、飲み物を販売して稼ぎながら夜旦那さんと灯篭流しを鑑賞したいという。「家庭の収入事情があまり良くないので、水祭りで稼ごうとプノンペンに来ました。王宮前の広場では朝早い時間から人が絶えないので、ここで朝から夕方6時頃まで飲み物販売をしています。夜はプノンペンで働いている主人と合流して川沿いの灯篭流しとコンサートなど見て、祭りを楽しんでいます。」

  サリーさん

 水祭りをプノンペン上京した皆のために頑張る清掃チーム!

3日間のウォーター・フェスティバル期間中には公共エリアの衛生を保つために約800人の清掃員のチームが都内の各エリアに配布されたという。ルセイケオ地区を担当した30人の清掃チームに所属したホーン・ソピアックさん(26)。「清掃員として我々のチームは新しいデモクラシーパークエリアにゴミ収集を24時間体制で待機しています。前回より今年は、カヌー団のゴミ分別によるゴミ捨ての状況が良くなりました。今日は2日目ですが、3日目の最終日もこんな状況が保てば嬉しいです」。近年のSNSによるゴミ処分をショットビデオ配信で市民の意識がやや良くなったと感じたソピアックさんは、一方で路上販売者による廃棄物の管理と処分について意識があまり変わらない面に関して心配も表した。「主要なエリアに我々の清掃チームが配置されて、フェスティバルが経過したこの2日間を見てみると、約60〜70%が廃棄物の適切な分配を認識していますが、ポイ捨てする人々もまだまだいます。特に路上のベンダーのところにはゴミ分別とポイ捨てが多かったです」。

  
ソピアックさんと担当エリアの清潔さを担う仲間メンバー

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