カンボジア産のハーブティーを通して、日常に癒やしと健康を
ローゼル・ストーンズ・クメール(Roselle Stones Khmer )
幻想的な青色をしたバタフライピー(蝶豆)のお茶、月の満ち欠けによる体のリズムに合わせたオリジナルブレンドのハーブティー。「Roselle Stones Khmer」社が手がける「Demeter(デメテル)」ブランドのハーブ製品は、見た目にも美しく健康的。心と体を癒やすお土産として人気が高まっている。
同社代表の西口さんは医療系のNGOの職員としてザンビアやマラウイで活動し、2008年にカンボジアへ。NGOの活動の一環で診療所支援を行なっていた。地方の貧しい人でも平等に医療を受けられるために作られた診療所で、患者は受診の支払い方法を現金か労働から選ぶことができる。だが、診療所を訪れる人の大半は貧しく現金収入がない患者ばかりでなかなか運営費を賄う事ができなかった。西口さんも一時期、日本で寄付金を集めることもしてたが、これでは持続性がないと感じ、日々ジレンマを抱えていた。
そんな時、たまたま診療所の敷地内に現れた1本の赤いローゼルをヒントに「地元にあるものを使って収益を上げられないか」を思い立ち、ハーブ関連に詳しい方々との出会いもあってハーブ事業を始めることになった。
これまでカンボジアでは葉は料理等に使われていたが、ハーブティーは花の萼(がく)の部分を使用。ハーブティーを作る上で最も難しいのが品質管理とハーブを乾燥させる作業だった。品質を保つためにしっかりとマニュアルを作り、農家さん達とトライアルとフィードバックを粘り強く繰り返すことで商品化に成功。そのハーブを買い取って診療所の運営費を補填することができた。
ハーブティーといっても最初はローゼルは11,12月の2ヶ月間にしか咲かなく、商品としては1年中収穫できるレモングラスの1商品のみだったので、取り扱ってくれる店舗がなかなかなくて苦労した。そんな時、プノンペンでお土産屋NyoNyum Shopを運営するカンボジア情報サービスの代表・山崎幸恵との出会いもあり、NyoNyum Shopで販売を開始。
その後はこの事業を起こすきっかけにもなったローゼル(ハイビスカス)ティーはじめ、幻想的な青い色のバタフライピーなど、次々と新商品が生まれ、カンボジアを代表するハーブティーへと成長した。
今では10種類・16商品ものハーブを扱う専門会社に成長し、カンボジア各地の農家のサイドビジネスとして米や野菜を作る合間に生産してもらっているそう。植えてから収穫するまでのマニュアルを作って品質を管理し、トライアルとフィードバックを繰り返しながらカンボジアの農家とともに日々、商品開発に取り組んでいる。また、シェムリアップのバイヨン中学校でもJSTの協力のもと、学生の授業のカリキュラム内にあるオーガニック野菜の栽培にハーブティーも取り入れてもらっているという。
上記で作られたプノンペンのオフィスでカンボジア人女性スタッフ2人が風詰め作業を行なっている。
(スタッフは西口さん含め4人)
「最近、徐々にカンボジア人の顧客も増えてきています。どのお茶も健康的なので、お土産としてだけでなくぜひ日常にも取り入れてほしい」と西口さん。今後は新しいブレンドティーの開発に加え、自分だけのオリジナルブレンドティーやロゴ、パッケージを作れる参加型のイベントも企画していきたいと考えているそうだ。
ハーブティーのほか、ヤシの実から採った酢とカンボジアの果物を使ったフルーツビネガーも
パッションフルーツの果肉に砂糖を混ぜて発酵させた酵素ドリンク
<プロフィール>
西口三千恵(にしぐち みちえ)
医療関係のNGOでザンビア、マラウィで2年間勤務したのち、2008年に医療関係NGOの職員としてカンボジアへ。地方の診療所の運営支援をしていく中で運営資金を生み出すためにカンボジア産のハーブを使った製品開発を開始。2015年、カンボジア現地法人Roselle Stones Khmer Co., Ltd.設立。現在、カンボジア産のハーブ製品ブランドDemeter(デメテル)と、フルーツビネガー・酵素ドリンクのブランドSucoo(スコー)を展開。社名のローゼル(ハイビスカス)はカンボジア全土に生えている野草でそれを使い、「カンボジアの宝ものを世界へ」という思いが込められている。
公式サイト:http://roselle-stones-khmer.com/japan/
<日本国内でもYahooショッピングで販売中なので興味がある方は要チェック!>
<商品をご購入希望の場合>
NyoNyum Shop イオン店へ
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