(日本語) 元Jリーガーがクラチェから未来のカンボジア代表を輩出!?【JICA海外協力隊員の地方奮闘記③】
(日本語) 元Jリーガーがクラチェから未来のカンボジア代表を輩出!?【JICA海外協力隊員の地方奮闘記③】
2021.01.14

JICA海外協力隊員としてクラチェ州で育成年代の子供たちへのサッカー指導を行なっている宮城晃太さん。

カンボジア国内の年代別の全国リーグに参戦しながら、子供たちのサッカーの能力向上だけでなく、サッカーの素晴らしさを伝えることに全力を尽くしていましたが、昨年春に新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、日本へ退避一時帰国をしなければならなくなり、当連載も一時停止していました。

しかし先月、ついにカンボジアに戻ってくることができ、連載も再開しました!

ということで第3回目の今回は、昨年春の一時帰国からカンボジアに戻ってきた現在までの状況を紹介します。

 

JICA海外協力隊 一時帰国

新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、3月24日にカンボジアのJICA海外協力隊員は日本に一時帰国する事になりました。

当時、新型コロナウィルスが流行りつつありましたが、地方には感染者があまりいない状況でした。

ですが、世界的に流行している状況だったので、安全面を考えて一時帰国を余儀なくされました。

カンボジアに来て1年2ヶ月目に入ろうとしていた時期で、現地での活動がようやく波に乗り、今からという時期での一時帰国だったので、本当に帰りたくない気持ちでした。

帰る時も、クラチェのみんなには「1、2ヶ月で帰ってくるよー」と伝えて日本に一時帰国しました。

それがこんなにも長くカンボジアを離れることになるとは、思いもしませんでした。

 

日本での活動

指導していたエスペランサが優勝した際の新聞の記事

一時帰国後は、地元・沖縄で生活をしていました。

5月からは、中学校時代のF C琉球JrユースU-15の監督がエスペランサF C(U-12)を立ち上げていたので、そこのコーチとして活動をスタートし、火水金は夕方16時半から19時まで小学生の練習を行い、土日は、練習、練習試合、大会、運営などの活動を行いました。

 

少し落ち着いて、7月からは、エスペランサF Cと並行してフューチャークリエーション株式会社でサッカースクールコーチ兼学童の先生として入りました。

そこでは、朝、年中、年長さんに向けて体操教室を行い、昼は、学童施設に来る子どもたちの送迎や受け入れ、夕方は、サッカースクールのコーチとして働きました。

 

その他にも、オンラインイベントでカンボジアでの経験談を話したり、JICA沖縄で高校生に向けてカンボジアでの活動を通して感じたことや、JICA海外協力隊や国際協力について伝える機会を頂きました。

また、沖縄にも技能実習生としてカンボジア人が200人程いると聞きつけ、カンボジア人に会いに行きました。

カンボジアと日本の生活について話をしたり、僕がカンボジアにいった時と同じように彼らも知らない土地で生活し働いている事を聞いて、何か力になってあげたいなという気持ちになりました。

彼らは日本人とクメール語で話している事が嬉しかったらしく、とても喜んでいました。

沖縄とカンボジアはこういうところでも繋がっていると改めて感じた瞬間でした。

 

カンボジアに再赴任

11月中旬、遂にJICA本部から再赴任の連絡が来ました。

日本出発は12月4日に決まり成田 → 韓国(仁川)→ カンボジア(プノンペン)に到着後、PCR検査を行い、14日間の隔離生活を送りました。

その後、3回目のPCR検査も無事陰性。

そして、12月19日に任地クラチェへ戻ることが出来ました。

 

この時期にはプノンペンで市中感染が発生し、学校が閉鎖され、サッカー協会からも練習を自粛するように指示される状況でした。

こういう厳しい状況が続いていましたが、現在は自粛も解除され、グランドに来ている選手と一緒に練習を行なっています。

僕が今出来る事といえば、グランドに遊びに来ている選手と一緒に練習をすることぐらいです。

正式に練習再開が決まった時には、少しでも多くの選手が良いコンディションで練習再開できるようにしていく事だと思っています。※1月5日時点で練習が再開しています

練習の他にも1週間に1、2回ジムでのトレーニングを実施しています。

これも選手は自由参加です。やりたい選手を集めて試合に向けてトレーニングしています。

僕がクラチェに帰って来ているのを聞いて、一緒に練習したいといってくれる選手も多くいます。

そういってくれる選手たちに対してしっかりとした練習を行い、少しでもサッカーが上達するように残りの任期も頑張っていこうと思います。

 

クラチェの街の様子は、変わらずゆっくりとした時間が流れていました。

アカデミーの選手、スタッフ、クラチェの友達はみんな変わらず「コータ!ソクサバーイ テー?(元気だったか?)」と言ってくれて、以前と何一つ変わらない。

そういうカンボジア人が好きだなと改めて思いました。

残り少ない任期ですが、一生懸命活動して行きます。

 

 

2020ユースリーグU-18&U-16 試合結果

僕が指導しているクラチェ州のU-18チームとU-16チームが参戦していた2020年のユースリーグ結果です。

コロナによる一時中断もありましたが、8月に無事終了しました。

 

<U-18クラチェ>

2次リーグ

Kompong Cham 2-1 Kratie

Kratie 1-3 Stung Treng

Kratie 2-1 Prey Veng

 

準々決勝(ホーム&アウェイ戦)

Kratie 1-0 Banteay Meanchey

Banteay Meanchey 0-1 Kratie

 

準決勝(ホーム&アウェイ戦)

Phnom Penh Crown 5-0 Kratie

Kratie 1-5 Phnom Penh Crown

 

3位決定戦

Kratie 1-1(PK3-4) Stung Treng

 

最終結果:4位

 

<U-16 クラチェ>

2次リーグ

Kratie 2-3 Kompong Cham

Svay Rieng 1-3 Kratie

Kratie 0-1 Stung Treng

 

最終結果:2次リーグ敗退

 

 

(写真提供:宮城晃太)

 

プロフィール:宮城 晃太(みやぎ こうた)

JICA海外協力隊員(クラチェ州)
1993年生まれ。沖縄県出身。大阪産業大学卒業後、2016年に地元のFC琉球(当時J3)に入団。同年限りで引退し、翌年からFC琉球アカデミーコーチを務めた。現役時代はMF。
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宮城さんのインタビュー記事はこちら

第1回目の記事はこちら

第2回目の記事はこちら

 

 

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