(日本語) NyoNyum111号特集:②家庭で造るプラホック
(日本語) NyoNyum111号特集:②家庭で造るプラホック
2021.03.02

現在カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum111号の特集ではカンボジアの調味料プラホックについて紹介しましたがそのWeb版も公開します。

2回目の今回は現代のプラホックの造り方と、昔はどのように造られていたのかを紹介します。

<1回目の記事はこちら>

 

昔のお話を聞いてみました

ウォン・スレイコンさん

プラホックの造り方は小さい頃に母から教わりました。内戦中も造っていましたし、今でも毎年欠かさず造ります。

私が10代の頃は、漁港までの結構な距離を荷車を引いて行くのが大変でしたね。

プラホック造りは何より魚の鮮度が重要なんですが、その頃は今ほど交通が便利でなかったので、自宅に持ち帰っていると魚が腐ってしまいます。

そうなるとプラホックは造れませんし、また、魚を洗う大量の水がなければ元も子もありません。

当時の家の近くには川もなかったので、シーズンになると家族みんなで川の近くに数日泊まり込んで仕込みを行っていました。これが昔ながらのやり方です。

最近はバイクや車で移動が便利になったので、いろいろな面で大変さが減りました。

今の家の裏には川があるので、最近は漁港で買った魚を持ち帰り、家族みんなで家に集まって魚のワタや頭の部分を切り取る作業をしています。そのあとすぐに洗うことができますしね。

昔は魚も豊富に揚がっていて、価格も安かったので私たちだけで1年に100キロくらい造り、お裾分けしたり売ったりなんかしていましたが、このところは魚の量も減り、価格も上がっているので、家族分だけ造っています。

川辺に集まって仕込みをする様子は今でも見られ、プラホックシーズンの風物詩といえる。

 

\仕込み現場に密着しました!/  毎年恒例の家族で造るプラホック

漁獲シーズン開始間もない昨年12月。カンダール州で暮らすウォン・スレイコンさんがプラホックを造ると聞きつけ、その現場に密着し、造り方を教えていただきました。(今回は骨ありトレイリエルで造りました)

 

<STEP1>魚のワタと頭部を切り取る

かなりの量!家族みんなで行います

 

<STEP2>十分に水洗いを行う

油分をしっかり取り除くため、足踏みと水洗いを2~3回繰り返す

油分が残ると生臭くなるのでしっかりと擦り洗いをします

 

<スレイコン流>一晩水に浸す

そうすることで発酵が早まり、短い期間でプラホックが完成するそう

 

<STEP3>水気をしっかりと切り、丸1日ほど空気にさらす

 

<STEP4>1度目の塩漬け

5キロの魚に対して2キロの粗塩を魚になじませる

 

<STEP5>容器に入れて密閉し一晩寝かせる

 

<STEP6>余分な水分を捨てる

 

<STEP7>2度目の塩漬け

加減を見て少し塩を足す

 

<STEP8>隙間がないように容器に詰め、しっかりと密閉

 

<STEP9>3カ月ほど発酵させ、完成!

 

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