現在カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum116号の特集では「カンボジアの休日を楽しもう!現地の人に聞く、新・リゾート徹底研究」について紹介しましたがそのWeb版も公開します。
「カンボジアの休日を楽しもう!現地の人に聞く、新・リゾート徹底研究」
新型コロナ感染症の影響で、長きにわたり行動を制限されていたカンボジア。
11月に入ってようやくさまざまな制限が解除され、喜びに沸く人々の姿があります。
「移動ができるようになったらどんなところに行きたい?」とニョニュムスタッフに聞くと、今まで知らなかったいろんな「行楽地」があるよという声が。
実は、コロナ禍でも週末や連休を使って感染対策に配慮しながら、みんなアウトドアを楽しんでいたようです! いったいどんな楽しみ方があるの?
現地の人の「コロナ禍の休暇の楽しみ方」を覗いてみましょう!
前の記事:
YAMAMOTOサーキットカンボジア~アンコール遺跡に導かれて広がる夢のサーキット場~
カンボジアにサーキット場があるのをご存じですか?
プノンペン北西に位置するコンポンスプー州に突如現れたこのサーキット場。実は、日本のクラブマンチャンピオン経験を持つ日本人がこの設立に携わっているんです。
サーキット場の名は「YAMAMOTO サーキットカンボジア」。共同設立者でもある実業家モン・ルッティー氏が運営するモン・ルッティー・アグリツーリズムという山の麓の広大な敷地内にあります。
2020年のオープン以来、山本氏自らカンボジア人スタッフと現地に住み込み、施設の運営に携わっています。一体どんな思いでこのサーキット場を造ったのでしょうか。
カンボジアでモータースポーツの魅力をアピールしたいという山本氏の思いにニョニュムスタッフが迫ります!
山本克典さんインタビュー
Q.このサーキット場を設立したきっかけは何ですか?
私の祖父が石匠で墓石や灯篭などを作る職人でした。私の父が跡を継ぎ、土木石材業に広げました。その父が日本政府の援助によるアンコール遺跡救済チーム「JSA」で、石材工学の責任者として勤めていました。昔ながらの日本の石匠の技術を現地の石工さんたちに伝授する父の影響で、私もカンボジアに頻繁に来ていました。
私自身が60代になり、この国で自分の才能を生かして何かを残したいという思いが芽生えました。縁あって、モン・ルッティーさんと出会い、彼が所有するこの土地の一部にモータースポーツの施設を造ることになったんです。私が日本でモータースポーツの選手をしていたこともありその経験や知識を生かせると思い、自己資金も投じ、2020年にモン・ルッティーさんと共同でこのサーキット場を設立したわけです。
Q.他のスポーツと比べて、モータースポーツは危険というイメージが強く、やる人も少ないと思いますが、どうしてこのスポーツをカンボジアでやろうとされたのですか?
確かに、モータースポーツはカンボジアではまだ主流ではありません。しかし、カンボジアにも5年ほど前からモータースポーツの競技連盟が発足し、国際レースにも加盟しています。ですから、今後カンボジア人選手を世界の舞台に送り出すためにも、今の段階からモータースポーツの選手を育て、きちんとした資格を持たせなければなりません。このサーキット場は、FIA(世界自動車連盟)が定めた基準に基づき運営をしています。
このサーキット場を通してモータースポーツの魅力と可能性をこの国で伝えたいという思いがあります。私は40年ほどの選手経験と競技開催に携わった経験があります。そこで培ったモータースポーツに関する知恵や技術、サーキット場運営のノウハウなどを、この国に伝達して残していきたいと思っています。モータースポーツは危険と隣り合わせのスポーツです。だからこそ、それをよく知っている人、決まったルールを厳守する人でないと、このサーキットで走行してはならないというルールがあります。
Q.技術的な指導が重要だと思いますが、その面での苦労はありますか?
サーキットのことや日本語がよくわかるカンボジア人スタッフがいないと大変です。規則や安全対策など、スタッフの指導をするうえで中核となるチョムランさんというマネージャーがしっかり手伝ってくれています。彼は日本語が良くできる上に、2003年に鈴鹿サーキットで開催された国際1000km耐久レースに私のチーム員として参加して、サーキットに関する関心と経験もあるのでとても助かっています。
Q.カンボジア人にとっては見たこともない初めての施設。未知の世界でウェーブを起こすことは大きなチャレンジだと思いますが、可能性はありそうですか?
モータースポーツに関心を持つカンボジア人は多いと思います。ただ、モータースポーツにはバイクと車、ゴーカートという3つのカテゴリーがあり、カンボジア人のみなさんがどれに関心を持つのかは未知数です。
私が描く夢は、今後カンボジア人によるモータースポーツチームができて、その選手が日本のサーキット場でレースに望む姿。カンボジアの国旗が日本で揚げられることです。
私もモータースポーツの元選手で、さらに鈴鹿サーキットでレース実況アナウンサーを約30年間やっていましたので、サーキット関係の知り合いも多くいます。ですから、日本から専門家を招待してカンボジア人選手を紹介するといったこともできるといいと思っています。
Q.このサーキット場を通して、これからカンボジアにモータースポーツが知られるようになるといいですね。
どのスポーツでも、通常、世界の舞台で通用するようになるには何年も時間がかかるものです。今後カンボジアが連盟を中心にナショナルチームを作り上げ、多くの舞台で経験を積むことが重要です。誰か1人国際舞台に立つためには、少なくても10人の選手が必要です。
さらに、若い時から育てないといけないのです。若い段階で自分の子供の才能を見極める。良い指導者に恵まれ育っていく。それには周りからの支援も欠かせません。つまり、世界に通用する選手を作っていくにはそういったサポートの全体像や仕組みを考えないといけないのです。
カンボジアにない文化であるモータースポーツであっても、仕組みをちゃんと作っていけば、その後はカンボジア人選手本人の努力次第で、いつか国際舞台で自国の国旗を揚げることができるかもしれないです。
基本情報
住所: Building No.1, / Road No. 1954, Samraong Cheung Phnum, Saen Dei, Samraong Tong, Kampong Speu, CAMBODIA
Email: ysc.net8@gmail.com
Mobile: 089 800 003
Facebook: YAMAMOTO CIRCUIT CAMBODIA
営業時間: 9:00 ~ 17:00、平日と祝日(定休日:月曜日)
料金
●シングルゴーカート
ステップ1:20$ 5周
ステップ2:20$ 5周
●ピーアズゴーカート
ステップ1:30$ 5周
ステップ1のみ
⦿ステップ1 : 1m50s/周
⦿ステップ2 : 1m35s/周
1週=1500m
カンボジア人マネージャー、ソン・チョムランさん(39 歳)
「ここに勤められて良かったです。ここはカンボジア初のサーキット場であり、モータースポーツはカンボジア人にとって知らない世界。そんなスポーツの魅力だけでなく、走行中のルールや安全意識というものをサーキットを通じて特にカンボジアの若者に伝えたいです。山本さんは日本で元選手だったこともあり、専門知識と経験が豊富です。その彼が直接現地で管理に携わり、一緒に働いてくださっているので、日々さまざまなことを勉強させていただいています。これからもここで学べることを大切にしたいと思っています。
このサーキット場に訪れるみなさんには、モータースポーツの魅力を知っていただきたいのはもちろん、隣国のタイやベトナムに遅れをとっているこの業界へさまざまな面からサポートしていただきたいです。何よりも、カンボジアの多くの若者が興味を持ち、選手を目指したいという思いを持ってもらえたらうれしいです。」
ゴーカート体験をしてみました!
ピァレットさん(23 歳)
「ここは山の麓にあって自然に囲まれているので、開放的な気分になりました。車を運転したことがないので、ゴーカートのハンドルを握った瞬間は本当にドキドキしました。でも走行してみると次第にスピードに慣れてきました。特にコーナーを曲がる瞬間が楽しかったです。怖いという思いもありましたが、最後は思い切ってスピード感を堪能しました! 機会があったらまたやりたいです!」
チュンさん(22 歳)
「ゴーカートに乗るのは人生初でした。実際に自分でゴーカートを運転できて感動しました。走行中はスピードに乗ったときの心地良さを十分に満喫でき、素敵な体験となりました。すぐスピードにも慣れ、最初抱いていた怖さも感じなくなりました。友達と一緒に何度も来たいです!」
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