カンボジア各州情報では、カンボジアにある24州と1特別市のそれぞれの名所・ホテル・お土産・料理など観光に役立つ情報をお届け!今回はパイリン州をご紹介します。
州名 : パイリン
州都 : パイリン
面積 : 803km²
人口 : 71600(2018年の国勢調査より)
アクセス : プノンペンから国道5、57号線で377km バッタンバン市街から84km
パイリンと聞けば宝石がすぐに連想されるほど、昔は宝石の産地と知られていたが、今はその面影はまったくない。周辺には深い森が広がり、野生動物が数多く生息していたが、長い内戦が原因でこれらの自然資源も多く破壊されてしまった。
パイリン歴史(伝説)
19世紀ごろ、一人のハンターが森で野生動物を狩っていた。歩いているうちに川に出た。ハンターは川で遊んでいる2匹のカワウソを見つけた。カワウソはびっくりして逃げ去ったが、カワウソが遊んでいた所にピカピカと光る小さな石があった。ハンターはそれを拾って、村に戻り村人に見せた。その石を砕いていくととてもきれいな石になった。村人はもっと欲しがり、ハンターに注文をした。他のハンターも「これは商売になる」と思い、カワウソが遊んでいた所へ探しに行った。そこは「コンラェンペーレーン(カワウソの遊ぶ所)」と呼ばれるようになった。その「ぺーレーン」という発音がいつしか「パイレン」になり、そして「パイリン」と定着していった。
住民の80%は農民で、畑作が中心でトウモロコシやゴマ、果実を栽培している。農産物は国境を越えてタイへも売られている。
プノンヤット
町の中心にあり、現地の人々の間で有名な寺のある山。語り継がれているところによると、寺は地元の富豪ヤット夫妻が祈りをささげた場とされ、年中行事にも儀式が行われている。山頂までは約60m、230段の階段を上がると、おいしい空気を吸いながら町全体の風景を一望できる。山上に18mぐらいの古いストゥーパがある。これは建てられてから78年も経つ由緒ある建造物で、カンボジアの小説『パイリンのばら』の登場人物を演じた俳優チャオチェのためのお墓という説、女優の父親のルンラタナサムバットのお墓だという説(ルンラタナサムバットは小説の中ではパイリン市の大富豪)、ヤット夫妻のお墓という説があるが、本当のところは不明。
昔話によると、昔からシェム(現在のタイ)へ渡って宝石を売っていたカンボジア人は、生活が豊かになると家の財産を守るために銃を所持するようになった。彼らは時間が空いているときに銃を使って森の野生動物を捕獲していた。このような行為は森の守り神を驚かせた。ある日、森の一番偉い神様が人間に変身し、ヤット夫妻に会いに行った。変身した神様はヤット夫妻に「森の中で銃を使うと、森の神様が恐がり神々が迷子になってしまうので止めてください。銃を使うのを止めてくれたら、住民にもっと豊かな生活をもたらしお金持ちにしてあげましょう。ただし、お金持ちになったら、この山の上にお寺を建ててください。そして建立15日目にはそこで孔雀ダンスを行ってください」とお願いした。ヤット夫妻はこの通知を住民に知らせた。住民はこの言葉どおり銃を使うのを止め、協力して山上にお寺を建てた、この山をヤット夫妻の名前から「プノンヤット(ヤット山)」と呼ぶことにした。現在はヤット祭壇があり、ヤットお婆さんの彫像がまつられている。ヤット祭壇で線香をあげて祈るとかならず願いごとが実現するといわれるほど有名で、町の観光名所の一つとして、またこの町の象徴として大切に保存されている。
ワットラタナソウーポァン
プノンヤットの隣に建つ寺で、1968年に少数民族コラー族が建てた。寺の外壁はとても長く、「乳海攪拌」の壁画が描かれている。入口から続く柱にもたくさんの彫刻が施されている。廊下の天上(意味不明)に目を向けると、コラー族の文字とクメール文字が書かれているのが見える。これらは寺の建設費を寄付した人々の名前とその寄付の額を記したものである。
ボヤカー地区
市内から5kmぐらいのところの村。昔、宝石採掘が盛んだったころは、宝石をふるい分ける仕事が行われていた。最近では採掘した穴が池になり、掘り出した土が丘のようになって残っているのが見られる。あちこちの民家にはふるい分け用の道具が多く残っている。
オータワー滝(プノンキウ行楽地)
市内から約7.5kmに位置する。道路沿いにはトウモロコシ畑をはじめマンゴーやバナナなどの果樹畑が広がる。坂道を登ると滝に到着。滝は年中流れており、人々は美しい滝を眺めたり水遊びをしてリラックスしてすごす。近くの店で料理注文して、から滝を眺めながら森の中で食事できるのが醍醐味。祝祭日や年中行事があるときは国内外の行楽・観光客でいっぱいになる。
ボタンスァーリーバーの行楽地(ジャックフルーツ農園)
市内から7kmほどのところに位置する。2003年に二人の農民夫婦が造った行楽地で、広い土地に約200本のジャックフルーツが植えられている。現地の人に最も人気のスポットで、通称ジャックフルーツ農園とも呼ばれている。川沿いには数件の宿があり、休みの日になると家族や知り合いが輪になって食事をしたり、川で水遊びを楽しむ姿が見られる。
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