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Moi Moi ライフ #40 ノンちゃんはトリリンガル

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリアップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、バイヨン中学校の好奇心旺盛なある生徒について。

ノンちゃんはトリリンガル

小学校、中学校の義務教育が徹底されていないカンボジアの農村部では、まだまだ小学生の退学者が多数いることはもちろん、たとえ小学校を卒業したとしても、クメール語が満足に書けない生徒や、簡単な計算ができない生徒が多数います。

バイヨン中学校も例外ではなく、そんな生徒は全体の半数にものぼるという調査結果も出ています。

先日も、生徒に簡単なアンケートに答えてもらったところ、クメール語であるにもかかわらず、隣の生徒に書いてもらっている学生がいて驚きました。

先生方はそのあたりの事情はよく理解し、生徒が恥をかいて学校嫌いにならないよう、授業中の質問は答えられる生徒にしか当てない、などの工夫をしているそうです。

一方、驚くほど優秀な生徒も一人二人いて、バイヨン中学校新3年生のノンちゃんもその一人です。

何事にも積極的で好奇心旺盛な彼女は、バイヨン中学校が創設された5年前から、課外授業で行っている日本語教室に小学生ながら参加し、その他、村の子供を対象としたNGO主催の英語教室にも通っていたようです。

ノンちゃんが一気に注目を浴びるようになったのは、運動会での生徒代表英語スピーチです。
ネイティブさながらの発音、よどみなく流れ出る英語に、皆が聞き惚れました。

さらに、JSTインターン学生が行っている週1回の音楽の授業でのこと。
半年前からは、なんと日本語-クメール語の通訳を行うようになったのです!

もちろん、未知の日本語はまだたくさんありますが、カンボジアに来たばかりで全くクメール語が話せない日本の学生を助け、直訳するだけでなく、これまで音楽の授業を受けたことがないカンボジアの生徒たちが理解できるよう工夫を凝らしながら、通訳として活躍しています。

ノンちゃんのように私たちの想像を超えた伸びしろをもつ生徒をどのようにサポートしていくか…、中学校運営にあたっての今後の楽しみが一つ増えました(笑)。

(この記事は2018年10月に発行されたNyoNuym97号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリアップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

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40:ノンちゃんはトリリンガル