「この国」を伝えるカンボジアのWebメディア

"生活"最新記事

"観光"最新記事

"読み物"最新記事

"ビジネス"最新記事

"グルメ"最新記事

HOME > 読み物 > 生活情報誌ニョニュム > 医療コラム「どうしましたか」 > どうしましたか #31 MERSに備えて知識のワクチンで予防しよう!

どうしましたか #31 MERSに備えて知識のワクチンで予防しよう!

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、MERSの感染対策と注意すべきことについて。

MERSに備えて知識のワクチンで予防しよう!

MERS(Middle East Respiratory Syndrome;中東呼吸器症候群)は 2012 年からアラビア半島諸国においてしばしば発生している新興感染症である。
5 月は韓国で、6 月はタイで患者が発生したことからもはや対岸の火事ではなくなった。いつ日本やカンボジアに入ってきてもおかしくない。

2003 年に世界を震撼させた SARS を彷彿させるが、死亡率は SARS の約 10% に比べて MERS のそれは 7 月初め時点で 37% と高い。ワクチンや特効薬はないが、「敵を知り、己を知る」ことで予防は可能である。
以下、病気の特徴と対策案を挙げる。

①潜伏期間は 2 日から 14 日間。
②無症状のこともあれば、発熱・鼻水・咳・痰のカゼ症状のみのこともあり、息切れ・呼吸困難・肺炎などの重症までさまざまである。
③ MERS ウイルスはアルコール消毒で容易に失活するので手洗いができなければ、アルコールを手に擦り込むだけで効果がある。
④感染源はコウモリやラクダである。このような動物には近づかないこと、不充分な加熱の肉などは食べないこと(筆者は昔、コウモリの姿煮を食べたことがある。中東ではラクダの生乳を観光客に飲ませている)。
⑤飛沫・体液感染するので、患者あるいは疑いのある人はマスクをしてウイルスが飛び散らないようにすること。
⑥間違った知識やデマに惑わされないこと。

要は「咳エチケット」としてのマスクをして、手洗いをしっかりすること。
基本的にインフルエンザの感染予防と同じである。

(この記事は2015年8月に発行されたNyoNuym78号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

ケン・クリニックホームページ

次の記事:

前の記事:

過去の記事:

21:胃の中の悪魔『ピロリ菌』
22:胃食道逆流症について
23:鼻から胃カメラ!?
24:インフルエンザ。今年は早めのワクチンを!
25:チクングニヤ熱をご存じですか?
26:ビタミンC神話
27:健康法としての糖質制限
28:健康法としての糖質制限②
29:アメイジング・グレイスを聴きながら
30:熱中症に注意!
31:MERS に備えて知識のワクチンで予防しよう!