どうしましたか #79 改悪?クレジットカードの海外旅行保険
どうしましたか #79 改悪?クレジットカードの海外旅行保険
2023.09.06

カンボジア生活情報誌NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健先生が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、「クレジットカードの海外旅行保険」についてです。

 

改悪?クレジットカードの海外旅行保険

海外で病気やケガをしたときに頼りになるのが海外旅行保険である。カンボジアを含む東南アジアでは 300万円くらいの補償額を目安にしておけば、とりあえずは大丈夫であろう。10数年前は1年間の保険料が8万円前後であった。ところが最近はどんどん値上がりして、今年はついに40万円台になってしまった。企業や所属団体が払ってくれる人は良いが、個人でかけるにはなかなかキビシイ金額である。

そこで活用したいのがクレジットカードに付帯する海外旅行保険だ。保険が付帯しているか否か、補償額はいくらか、などはカードによって異なるので、自分の所有するカード保険について把握することが重要である。さらに昨年後半から、自動付帯(海外に行くだけで自動的に付くので手続きは不要)のカードが続々と利用付帯(その旅行における交通費のどれかをカードで支払う必要がある)に変更になっているので、自分のカード保険を再確認していただきたい。

「これは改悪だ !」と騒いでいる人が多いが、われわれのような長期滞在者にとってはむしろ朗報ではなかろうか。自動付帯は日本出国後3ヶ月間しかカバーされないのがほとんどなので、自動付帯のカードを何枚持っていても日本出国後3ヶ月で保険が無効となる。利用付帯も3ヶ月間であるが、カードで支払った日から3ヶ月間なので、4枚のカードを順番に使用していけば 1年間の保険があることになる。カードを4枚持つと、年会費もそれなりになるが、40万円にはならないであろう。

(この記事は2023年8月に発行されたNyoNuym126号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は発行当時の情報です。)

 

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

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48:麻疹ワクチンをうちましたか?
49:ざんねんな(?)デング熱ワクチン
50:風疹ワクチン「も」うちましたか?
51:手足口病は大人にもうつる!?
52:食あたりに気をつけて!
53:クリニック開業とインタビュー
54:狂犬病ワクチンがない!?
55:熱がないのにデング熱
56:問診不可能なカンボジア人患者(前編)
57:問診不可能なカンボジア人患者(後編)
58:開業10周年を迎えて
59:新型コロナウイルス騒動に思う
60:感染症に対するビタミンの不都合な真実。 オーソモレキュラーとは?
61:手洗い習慣の功罪
62:「with コロナ」でいきましょう♪
63:数字に惑わされるな !「ワクチンの有効率」とは?
64:「禁煙のススメ」
65:「トコジラミ」
66:「コロナワクチンをうってきた」
67:「ウイルス変異株は怖いのか?」
68:「中和抗体とは?」
69:「コロナの飲み薬、ついに市場へ !?」
70:「 オミクロン株は終わりの始まり」
71:「長引く咳「感染後咳嗽」とは?」
72:「 日本の水際対策とは何だったのか?」
73:「 今年還暦トム・クルーズの健康法とは?」
74:「いきなり、Cheat Day!」
75:「コレステロールの真実(前編)」
76:「コレステロールの真実(中編)」
77:「コレステロールの真実(後編)」
78:「COVID-19 騒動の終焉宣言」
79:「改悪?クレジットカードの海外旅行保険」

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