(日本語) 元Jリーガーがクラチェから未来のカンボジア代表を輩出!?【JICA海外協力隊員の地方奮闘記④】
(日本語) 元Jリーガーがクラチェから未来のカンボジア代表を輩出!?【JICA海外協力隊員の地方奮闘記④】
2021.02.05

JICA海外協力隊員としてクラチェ州で育成年代の子供たちへのサッカー指導を行なっている宮城晃太さん。

カンボジア国内の年代別の全国リーグに参戦しながら、子供たちのサッカーの能力向上だけでなく、サッカーの素晴らしさを伝えることに全力を尽くしていましたが、昨年春に新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、日本へ退避一時帰国をしなければならなくなり、当連載も一時停止していました。

しかし12月、ついにカンボジアに戻ってくることができ、当連載も再開しました!

しかし任期終了ということもあり、今回で最終回となりました。

カンボジアに戻ってから任期終了までの出来事を順々に紹介します。

 

1月4日、アカデミー練習再開

1月4日に、アカデミーとしての活動が再開しました。

クラチェに再赴任してからは、チームとして活動できなかったので、個人として動いていましたが、サッカー協会から練習再開の連絡が来たので、やっとみんなで練習をすることができます。

また、リーグの試合日程も決まり、1月18日からリーグも再開する事が決まりました。

練習が再開してからは、U-18/U-16のコーチも練習に来てしっかり指導しています。

選手も大会が近いということもあり、とても気合が入っていて積極的に練習に励んでいます。

試合まで、14日しかないのでしっかりとした練習をして試合に臨んでいきたいですね。

また、一度日本に戻り改めて、クラテェでコーチの指導を見ましたが、2年前に比べてとても成長しているなと感じました。

練習内容、コーチングをするポイントなど少しずつ改善されている気がします。

こういう気づきも一時帰国をしなかったら気づけなかったかもしれないので、そこはポジティブに捉えています。

 

任期終了

僕の任期終了は1月21日でした。

そのため、17日にはクラチェを出てプノンペンにいなければならなかったので、クラチェの試合を見る事ができませんでした。

1月17日、出発当日、朝グランドに集合してプレアビヒアに行くので、選手、コーチ達を見送りに行きました。

2年間クラチェのコーチ、選手と共に練習して来ました。

最後のお別れが見送りだとは思わなかったので、とても寂しい気持ちで送り出したのを覚えています。

選手には、『試合がんばれよ!絶対勝てよ!』と最後のメッセージを伝えました。

バンが出発する前にお別れだと言うことを実感したのか泣いている選手もいて、僕も泣いてしまいましたが、この時、本当に選手たちも僕のことを慕ってくれていたんだなと実感しました。

これまで一緒に頑張って来た事を思い出し、感情が溢れ出てしまいました。

 

JICA海外協力隊 活動終了

クラチェの仲間たち

2021年1月21日でJICA海外協力隊の活動が終了しました。

カンボジアのクラチェ州で2年間アカデミーのコーチとして活動しました。

日本から来た僕を、温かく迎え入れてくれて、家族のように接してくれたクラチェの人々。

そんな彼らに支えられながら活動して来ました。

最初は、『カンボジアのサッカーを変えるんだ!』と言う強い気持ちでカンボジアに来ました。

ですが、カンボジアで活動していくにつれて、カンボジアの文化や歴史を知り、現地の人と生活をしていると現地の現状も見えて来て、大事なのはそこではないという事を思い始めるようにもなりました。

 

活動の振り返り

これまでの活動を振り返ると、サッカーでは、選手が練習に来てくれない時期もありどうしたら選手がグランドに来てくれるか、どうしたら選手がサッカーを好きになってくれるかという事を常に考えて活動して来ました。

U-15、U-18だけではなく、小学校年代に向けてもサッカースクールを行うなど、今後のクラチェアカデミーのサッカーが少しでも盛り上がってくような活動を考えて行っていました。

サッカースクールを行った時も、沢山の仲間に協力してもらって活動する事ができ、そこで気づいたのは、クラチェで活動できているのはクラチェの人々の協力があって活動できているのだなと気づく事ができました。

結局は、クラチェの仲間が協力してくれてサポートしてくれるお陰で活動ができている。

自分で全てやる事は不可能だなと感じ、周りとの現地の人々との関わり方などが重要で、そこがうまく行くと活動もスムーズに行くんだなと言う感覚を覚えました。

本当にこのクラチェでの2年間は、日本ではできない経験をさせて頂きました。

そして、このJICA海外協力隊として活動できた事は自分にとってかけがえのない財産になったと思います。

今後の進路は、まだ決まっていませんがカンボジアサッカーの魅力を知ってしまったので、今後もカンボジアサッカーに携われる仕事がしたいなと思っています。

また、数年後クラチェで彼らと会うのが楽しみです。

 

 

(写真提供:宮城晃太)

 

プロフィール:宮城 晃太(みやぎ こうた)

JICA海外協力隊員(クラチェ州)
1993年生まれ。沖縄県出身。大阪産業大学卒業後、2016年に地元のFC琉球(当時J3)に入団。同年限りで引退し、翌年からFC琉球アカデミーコーチを務めた。現役時代はMF。
SNS:
Twitter

宮城さんのインタビュー記事はこちら

第1回目の記事はこちら

第2回目の記事はこちら

第3回目の記事はこちら

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

関連記事
おすすめ記事

アンコール見聞録 #38 遺跡を上から見る

2023.09.12 アンコール見聞録シェムリアップ文化

アンコール見聞録 #34 遺跡写真館

2023.01.12 アンコール見聞録シェムリアップ

アンコール見聞録 #29 変わるもの、変わらないもの

2022.03.04 アンコール見聞録シェムリアップ

【旅育!!ノマド家族。】⑯プノンペン市内でも旅育!

2022.01.05 【旅育!!ノマド家族】プノンペン