(日本語) NyoNyum108号特集:お店の想いをみんなに届けたい ~スペシャルインタビュー~ ⑥FOOLAB Group「NiGiRi LaB」「RoBaTa LaB」野村友彬さん
(日本語) NyoNyum108号特集:お店の想いをみんなに届けたい ~スペシャルインタビュー~ ⑥FOOLAB Group「NiGiRi LaB」「RoBaTa LaB」野村友彬さん
2020.09.30

最新号NyoNyum108号の特集は、「トゥールトンポンエリア街歩き!~頑張る商店街応援企画~」と題して、プノンペンのトゥールトンポン地区(通称ロシアンマーケットエリア)のいろいろなお店の情報を紹介してきました。

それぞれの店のオーナー、マネージャー、スタッフのみなさんが、どんな想いを持って店を運営し、そしてこのコロナの時期を乗り越えてきたのか。

トゥールトンポンエリアに店を構えるレストランに、さらに踏み込んで話を聞かせていただきました。

今回はカンボジアで大人気の日本料理店「NiGiRi LaB」と「RoBaTa LaB」を運営するFOOLAB GROUPの野村友彬さんです。

 

野村友彬さん


FOOLAB GROUP
ゼネラルマネージャー
お店のFacebook page:@robatalab,@nigirilab

Q: こちらのお店には、どのくらい勤めているんですか?

マネージャーになったのは今年2月ですが、店の運営には1年以上関わっています。

 

Q: お店のコンセプトを教えてください。

RoBaTa LaBは「日本の大衆焼鳥居酒屋」がコンセプトのお店です。

カウンターにボックス席、奥には30人までの宴会スペース、2階には10席のVIPルームもあるので、いろいろなニーズに合わせてご利用いただけます。

店舗全体を貸切でビュッフェ(40人以上)も可能で、前菜や寿司ロールを含めた20種類の料理をカウンターに並べ、焼き鳥は熱々のものをお出しできます。

私自身は昨年1月からのアルバイトを経て、同年7月に入社しました。

ある日突然社長から「焼き鳥屋やるから」と言われました。

日本では割烹板前の修業をしていましたが、ここで初めて焼き鳥の勉強を徹底的にしました。

焼き鳥は勉強し始めるととても奥が深いんです。

素材がシンプルなのでごまかせない。

味付けが塩やタレだけなので、まずは素材の新鮮さが第一。

串の打ち方、焼き方もとても大事。

スタッフに毎日食べてもらって「おいしい味」を覚えてもらう。

中心温度を測ってもらうんですが、次第に「もう3度下げたらおいしいかも」と、自発的な提案が出るようになりました。

そういう彼らの気持ちを尊重してまとめています。

 

NiGiRi LaBは、「空間を楽しみながらカンボジア人シェフが握る日本の本格寿司を食べていただく店」です。

彼らの握りはとてもきれいで僕も惚れ惚れします。

職人としてプライドがあり、美味しいものを提供することに妥協がまったくない。

もちろん日本人の寿司職人に比べればまだまだかもしれませんが、カンボジア人の中ではハイクラスの職人ばかりです。

ゆったりした空間がお客様にも好評で、昼でもコース料理とお酒でゆっくり時間を楽しんでいただいています。

一部の日本からの輸入もの以外は近海で採れた新鮮な魚を使っています。

価格以上の素材を使っているので、コストパフォーマンスもとてもいいと自負しています。

 

Q: トゥールトンポンエリアに進出した理由を教えてください。

このエリアでのシェアを獲ることと、新たなシェアを生み出す、というのが社長の考えです。

このエリアには同じ業態の店がなかったので、そこに進出することで新たなシェアを生み出すことができると考えています。

ほかのグループ系列店とはまた違う客層の方がご利用くださっています。

RoBaTa LaBでは大人数でお酒を飲みながらワイワイ楽しむお客様が多いですね。

宴会も多く、お得なビュッフェ・パーティープランをご利用いただいています。

そうなると、焼き鳥5種を数十人分ひたすら焼き続ける状態になるんですが、それでも対応できる体制をつくっているので、それが人気になっていると思います。

そして常連さんができ、新たなお客様を呼んできてくださいます。

NiGiRi LaBでは、他の高級寿司に行っている方々が普段使いで来てくださっている印象です。

 

Q: サービスで特に気にかけていることは何ですか?

お客様が「したい」「欲しい」ものを言われる前に気づいてお出しすることです。

なかなか言語化が難しい部分なので自分でやって、スタッフに見せるようにしています。

それから、「お客様に正直に」。

ミスはしていいんです、いや、ダメですけど仕方がないことなので。

でもそれを絶対にごまかしてはならない。

店を立ち上げたときから「間違いを認めて改善しよう」という風土作りを徹底しています。

もう1つは「お客様に喜んでもらうことは素敵なことだ」と言う、僕たちからしたら当たり前のマ
インドをスタッフに持ってもらう事。

オープニングからいるスタッフがほとんどなので、浸透してきていると思います。

 

Q: コロナの影響、またそれを乗り切るための取り組みを教えてください。

それはもう大変な状態でした。売上がグループ全体で70%減にまで落ち込みました。

飲食業はいち早く、3月中頃から影響を受けました。

3月、4月はどん底になり、NiGiRi LaBは魚の流通が難しいこともあり、休業せざるを得なくなりました。

幸いRoBaTa LaBはみなさんが出控えている時期にも来てくださる方もいて、5月には少し上がって来て、結果的に昨年11月からのプレオープン以降、最高の売上を6月に上げることができました。

自分のことを言うと、このままでは給料も危ういなと思ったし、ここまでコロナの影響を受ける業界でキャリアを積み上げていっていいのか、とまで悩みました。

一方で、こうしたら絶対良くなる、と思うところもあり、社長に思いを正直にぶつけてみたんです。

社長は今後のグループ全体の成長見込みを示し、私の改善案を採用し、その後責任者としてまかせてくれました。

結果、給料は半分になりましたが仕事は3倍になりました。

でもこのような状況だからこそ、振り切って会社の中で自分のポジションを獲って「こいつがいなくちゃ」と思ってもらうほうがいいなと。

そこから楽しくなっていきました。

コロナ対策としては、デリバリーでどうにか日々の現金収入を確保しようと取り組みました。

ありがたいことに、注文が多く手が回らない日もありました。

それを切り抜けたスタッフのレベルは格段に上がりましたよ。

デリバリーは店舗でのオーダー対応よりもフロアとキッチンのコミュニケーションが重要になるんです。

「パッキングした? 」「しょうゆは入れた? 」という細かな確認が必要。

チームワークが増したと思います。

 

Q: 今後の展望をお聞かせください。

「カンボジアで一番」を目指します。

何が一番なのかというと、「カンボジアで一番お客様に喜んでもらえる店」ということです。

これは常に社長が言っていることです。

そのために、商品のクオリティー、コストパフォーマンス、お客様サービスを徹底的に管理し、小さな改善を毎日続け、努力をし続けます。

来年になると思いますが、グループの系列店も拡大していく予定です。

いろいろな業態を展開し、お客様が「プノンペンで和食を食べたい」と思ったときにどこにでも私たちのグループ系列店があって、足を運んでくださるようにしていきたいです。

個人の展望としては「幸せになれればいい」と思っています(笑)

が、これまでの経験やこの会社で培わせていただいているオペレーション力や広報、経営といったことを広げ、深めていきたいです。

成長が止まると、だんだん自信がなくなっていきます。

だから常に勉強して目標を持ち続けていくことが、自分がチェレンジし続けるセーフティーネットだと思っています。

<お店の詳細はこちら>

@robatalab

@nigirilab

 

<108号特集「トゥールトンポンエリア街歩き!」その他の記事はこちら>

 

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