(日本語) 【NyoNyumインターン日記㊵】プノンペンの一つの現実

TOP › Webマガジン › (日本語) 【NyoNyumインターン日記㊵】プノンペンの一つの現実

2018.01.16

インターン日記シーズン1

スオスダイ！インターン生の伊藤陽子です。私のこのインターン生活ではカンボジアの良い面ばかりを見てきたような気がします。住んでいる地域はそこまで治安が悪いわけでもなく、会社や自宅の周りにいるカンボジア人はいつも笑顔を向けてくれます。しかし昨日の日曜は信じたくないようなカンボジアの現実の一つを目の当たりにしました。

見せてくださったのはカメラマンの佐々木健二さん。佐々木さんとはカフェでお話するだけの予定でしたが、「もし興味があれば見ていきますか？」と現場に連れて行ってくださいました。

その現場というのがステミンチャイというプノンペンの西の方にある地域。かつてゴミ山として知られていたところです（今もそう呼ばれているのかはわかりませんが）。ドブ川がありその上に家が建てられスラムとなっていましたが、政府とそのスラムを管理する組合の話し合いにより、それらの家は取り壊されあたり一帯が整備されるそうです。

行ってみるとすでに工事は進んでおり、半分以上の家は取り壊されています。そして日曜からか多くの人達が整備されていく様子を見に来ていました。私達もしばし見た後、佐々木さんの案内でまだ残っている家の人々を訪問することに。

写真のような家と通路がドブ川の上にかかっているのですが、ところによっては木がもろく今にもくずれそうな状態。慎重に歩きます。そして佐々木さんが紹介してくれたのはある夫婦。このスラムに住むにも組合にお金を払わなければいけないそうなのですが、彼らは不法占拠をしているそうです。そして奥さんは薬物で少し頭がおかしくなっており会話がうまくいきません。

私にとってこれが４回目のカンボジア。今まで農村の貧しい人たちを何回か見てきました。フィリピンでもゴミ山周辺に暮らす人々に会う機会がありました。プノンペンにそのような場所があるのは知っていましたが、しかしそれでも今回の出来事は衝撃的でした。私にいつも笑いかけてくれる人も、ここで薬物に溺れている人も、同じプノンペン市内に住むカンボジア人だということに（スラムに住んでいる人達がこういう人ばかりというわけではありません）。でも私が思うにもっと忘れてはいけないのは、同じような人達が日本にもいるということなのではないでしょうか。