(日本語) パラスポーツ in カンボジア③「注目のパラ陸上選手を紹介!」
(日本語) パラスポーツ in カンボジア③「注目のパラ陸上選手を紹介!」
2019.10.25

10/10に発行したカンボジア生活情報誌NyoNyum103号でも連載しているカンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香さんの記事をWEBでも紹介したいと思います
第3回目の今回はカンボジアの注目のパラ陸上選手を紹介です。

< 前回の記事はこちら>

 

パラスポーツとは


障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。

日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。

最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。


その中でも特に視覚障がい者によるブラインドサッカーは陸上競技とともに人気で日本各地にクラブチームができて大会が行われるなど普及しており、2014年に東京で行われたIBSA ブラインドサッカー世界選手権では初の有料試合ながら開幕戦と決勝戦は満員(1300席)でチケットが完売となるなど来年のパラリンピックでも人気種目のひとつになることが予想される。

※東京パラリンピック詳細はこちら

 

 

ハート・オブ・ゴールドとは


1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。

2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。

被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。

特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。 ※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより

 

注目のパラ陸上選手紹介!

今回はパラ陸上の注目選手を2 名紹介したいと思います。

ヴァン・ヴォン(VanVun)選手
今回はパラ陸上の注目選手を2 名紹介したいと思います。

1 人目は車いすのヴァン・ヴォン(VanVun)選手。1986年生まれの33 歳。

幼少期にポリオウィルスに感染し、下半身麻痺となる。

2006 年頃からスポーツを始め、数々の国際大会に出場し、ASEAN Para Gamesでは2013年から毎回メダルを獲得。

そしてユニバーサリティワイルドカード枠(*)で2016年リオパラリンピックに出場。

2017年にはハート・オブ・ゴールドの事業で岡山でのパラキャンプに参加し、パラリンピアンの松永仁志氏より指導を受ける。

現在は100m、200m、400m で東京パラリンピック出場を目指す。

 

 

チン・パン(ChimPhan)選手

2 人目は義足のチン・パン(ChimPhan)選手。

なんと1968 年生まれの51歳。

26 歳の時、軍隊で地雷撤去活動中に地雷を踏んでしまったため、右足のひざ下を失う。

28 歳の時初めてスポーツ大会に参加し、400mで1 位を獲得したことから陸上を本格的に始め、数々の国際大会でメダルを獲得。

2017 年ASEAN Para Gamesでは400mで銅メダルを獲得した。

そろそろ引退を考えているようだが、最後に東京パラリンピックを目指す。

種目は100m、200m、400m。2 名とも11 月にドバイで行われる世界パラ陸上競技選手権大会に出場予定で、この大会が東京パラリンピック出場権を得るためのラストチャンスとなります。

そこで認定基準を上回ることができればカンボジアで初めて自力でパラリンピックに出場することになります。

大変厳しい戦いになることが予想されますが、2 名の選手には最大限の力を発揮してもらいたいと思います。応援よろしくお願いいたします!

 

 

<ユニバーサリティワイルドカード枠>
パラリンピックの出場資格枠を競技成績で獲得できなかったか、1 名のみの選手枠しか得られなかった各国のパラリンピック委員会に対して付与される出場者枠。パラリンピックの基本理念から、選手が最大限参加できることを保証するために設けられた参加枠割り当て方法。

 

 

この記事を書いた人:米山遥香


カンボジア在住5 年目の27歳。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2 年間インターンとして活動し、3 年目から職員に。

< これまでの記事はこちら>

<HEARTS of GOLD情報>

公式WEBサイト

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