NyoNyum Magazine にて連載しているコラム「アンコール見聞録」
上智大学アジア人材養成研究センター現地責任者として、シェムリアップでアンコール建築に関する研究を行っている三輪悟さんが、アンコール建築の歴史や、遺跡の周りで営まれる生活、カンボジアにまつわるあれこれを綴ります。
今回は、25周年を迎えたアプサラ機構とアプサラについて。
アプサラ機構創設25周年
アンコール遺跡群(1992 年世界文化遺産登録)はカンボジア政府アプサラ機構が管理している。
機構が創設されたのは、1995 年 2 月 19 日であるから既に四半世紀の歴史がある。
アプサラ(APSARA)という機構名称は仏語の頭文字をとったものであり、正式には “Autoritépour la Protection du Site et l’Aménagement dela Région d’Angkor / Siem Reap”(=アンコール地域遺跡保存整備機構)という。
旅行者の立場で「アプサラ」と聞くと優雅な伝統舞踊を想起させるが、両者は異なる。
しかし、なかなか素敵な名称を創出するセンスに感心させられる。昨年 2 月にハンペウ氏が新総裁に就任し、最初の海外出張先として上智大学(東京)を選んだ。
昨今アプサラ機構は創設時のメンバーからの世代交代を完全に果たし、幹部は若い世代が中心となった。
シェムリアップ州全域を担当し、遺跡保護、観光、地域住民、水利、環境など多くの困難な課題を抱える一面もあるが、今後新しい視点を取り入れてどのようにマネジメントしていくのか楽しみにしている。
(この記事は2020年2月に発行されたNyoNuym105号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)
上智大学アジア人材養成研究センター(シェムリァップ本部)助教
1997年10月よりシェムリァップ在住。専門はアンコール建築学。NyoNyum89号(2017年6月号発行)より遺跡やカンボジア生活にまつわる本コラム『アンコール見聞録』を連載。
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過去の記事
7:死んだカエルと干しガエル
8:アンコールワットの矢ワニ
9:西参道正面北側のナーガ
10:石の穴 あいたり、消えたり
11:遺跡内は犬禁止
12:米価が3倍になる継続性
13:外国人の遺跡入場者数
14:仏人がジャワに学んだ修復手法
15:アンコールワットの睡蓮
16:大阪万博 旧カンボジア館
17:アプサラ機構創設25周年
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