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どうしましたか #39 世界三大感染症 その③マラリア

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、世界三大感染症の3つ目:マラリアについて。

世界三大感染症 その③マラリア

「熱帯地域で発熱の患者を診たら、まずマラリアを疑え」と熱帯医学研究所で教わった。
それほどポピュラーな病気である。全世界で年間約2億人が感染し、うち40万人以上が死亡している。

カンボジアでも、田舎ではごく当たり前の病気であるが、プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルなどの都会ではほとんど見られない。
マラリアを媒介するハマダラカの多く発生する水田地帯の環境変化、稲作法の変化、住宅構造の変化による。いずれも都会ではハマダラカが生息しにくくなったというわけである。
だから熱帯地域でこれほどありふれたマラリアも、プノンペンで診療している筆者は開業以来6年間で、たった1 例しか診たことがない。

日本でも明治時代から昭和初期に全国で土着マラリアが流行した。しかし現在では外国で感染し、日本に帰国してから発症する例を年間100 ~150 例 認めるだけである。その他多くの先進国でも同様の現象が見られる。

マラリアには三日熱、四日熱、卵形、熱帯熱の 4タイプがある。いずれも40℃前後の高熱で発症するが、タイプによって熱の変動が異なる。
いずれの場合も比較的短時間で熱が下がるので油断しやすいが、治療が遅れると重症化する。3 度目の高熱を発症したときが危険といわれる。

アルテミシニンが治療薬として広く使用されるが、カンボジアではすでにこの薬剤に対する耐性を持つマラリアが見られるようになっている。
予防が最も重要で、長年研究されてきたマラリアワクチンは実用化までもうすぐであるが、現在ではまだ蚊に刺されないようにするしかない。

(この記事は2016年12月に発行されたNyoNuym86号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

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28:健康法としての糖質制限②
29:アメイジング・グレイスを聴きながら
30:熱中症に注意!
31:MERS に備えて知識のワクチンで予防しよう!
32:スラービアーを、もう1本
33:虫下し薬は飲んだ方がいいの ?
34:MEC食(前編)
35:MEC食(中編)
36:MEC食(後編)
37:世界三大感染症 その①結核
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