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Moi Moi ライフ #22 バイヨン中学校の養殖プロジェクト

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリァップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、魚の養殖の工夫について。

バイヨン中学校の養殖プロジェクト

菜園プロジェクトに引き続き、今年バイヨン中学校で始めたのは「魚の養殖」です。まず、乾季の終わりに大きな池を掘って水を溜め、カンボジアの伝統的な方法で水質調整を行い、4000匹のナマズの稚魚を放ちました。

バイヨン中学校校長のアイデアによって、池には様々な工夫が施されています。

まず、塩ビ管と網で作った”囲い”を水面に浮かべてその中で稚魚を育て、効率的に餌やりができるようにしました。市販の餌代を節約するために、生徒たちの家の周りに無数にある蟻塚を当番制で持参させ、蟻塚の蟻も餌として毎日与えました。

それだけでなく、塩ビ管の”浮き”に蛍光灯を取り付け、光を目指して飛んでくる夜の虫が池の中に落ちるように工夫。これらの餌はナマズにとって良質なたんぱく源となったようで、ぐいぐいと成長していきました。

また、池の3分の2を水草で覆うことによって、水温の急激な上昇を防ぐとともに、日中の暑い時間帯はナマズがその下で休めるようにし、魚のストレス軽減にも配慮していました。

池のすぐ横に作られた夜警用の簡素な小屋で、生徒たちが毎晩寝泊まりをしながらナマズの成長を見守ること4か月、予定通り最初の池上げが行われました。

この日は、日本の大学生が初めてバイヨン中学校の教室で宿泊するという初物づくし。夕食のおかずとして、日本でも話題の「ナマズの蒲焼き」をつくることにしました。

ウナギよりも実が柔らかいため、串にさして焼くことはできませんでしたが、炭火でじっくりあぶること数十分。タレの香ばしい匂いとともに完成した「ナマズの蒲焼き」は、まったく臭みがなく、噂通りのおいしさ。

しかも、醤油と味醂でつくった和風甘辛タレはカンボジア人にも大人気!皆でおいしくいただきました。

このナマズくんたち、今後は栄養失調に悩む村の子供たちの成長も助けてくれることでしょう!

(この記事は2015年10月に発行されたNyoNuym79号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリァップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

 

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15:20年の重み
16:カンボジア遊農民のキュウリ畑
17:治水工事をめぐるてんやわんや
18:教師がいない危機に直面するバイヨン中学校
19:バイヨン中学校の菜園ビジネス
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22:バイヨン中学校の養殖プロジェクト