パラスポーツinカンボジア⑰バッタンバン州にてパラ陸上選手選考会を実施
パラスポーツinカンボジア⑰バッタンバン州にてパラ陸上選手選考会を実施
2022.05.16

カンボジア生活情報誌NyoNyum 101号から連載している、カンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香(よねやま・はるか)さんが普及活動の様子を紹介するコラム「Para-Sports in Cambodia!」をNyoNyum WEBでも公開します。

第17回目の今回は、バッタンバン州でのパラ陸上選手選考会を紹介します。

 

ハート・オブ・ゴールドとは


1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。

2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。

被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。

特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。
※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより

パラスポーツとは


障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。

日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。

最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。

 

バッタンバン州にてパラ陸上選手選考会を実施

車いすの30m走

プノンペンでは一時期オミクロン株の感染が爆発的に広がりましたが、徐々に落ち着きを見せているように感じられ、すっかり日常を取り戻しているような気がします。このまま新型コロナウィルスとうまく付き合いながらwithコロナとしてできる活動を増やしていければと思っています。

さて、2月27日にパラ陸上選手3名、コーチ1名、アシスタント1名、 ハート・オブ・ゴールド(以下、HG)スタッフ2名でバッタンバン州にあるKaruna Battambang という障害者支援団体を訪問し、パラ陸上選手選考会を行いました。この活動は2021 年に実施したクラウドファンディングで集めた資金で、3月25日、26日に行うパラ陸上競技会に招待する新しい選手を発掘する事業として実施しました。

日本の専門家にアドバイスをいただき、HGが行っている活動のひとつである体育事業で取り入れている体力テストを使って、障害者の方々の基礎体力を測ることにしました。身長・体重測定、長座体前屈、反復横跳び、立ち幅跳び、50m走を実施し、車いすの方ができない反復横跳びは3 mの距離を行
き来する種目に、立ち幅跳びはボール投げにする等、障害によって実施する種目を変えて行いました。

反復横跳びを指導する様子

参加者の中から、体力テストの結果、パラ陸上の種目・障害クラスがあるか、実際の参加者のポテンシャル等、パラ陸上選手、HG スタッフで総合的に判断し、6名の方をパラ陸上競技会に招待することに
なりました。

カンボジアがホスト国である2023年東南アジア競技大会・東南アジアパラ競技大会まで選手の発掘・育成がとても重要になってくるので、今回バッタンバン州にて選手発掘事業を実施でき、このまま陸上を楽しんで続けてくれると良いなと思っています。大会の様子はまた次回ご報告いたします。

 

この記事を書いた人:米山遥香


カンボジア在住7年目。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2年間インターンとして活動し、3年目から職員に。

これまでの記事

・第1回:ハート・オブ・ゴールドがカンボジアでパラスポーツ支援を始めたきっかけ

・第2回:カンボジアパラ陸上競技会と プノンペン補習授業校の社会科見学

・第3回:注目のパラ陸上選手を紹介!

・第4回:アンコールワット国際ハーフマラソンへ向けて&結果報告

・第5回:第10回ASEAN Para Games へ向けて

・第6回:陸上クリニックと絆フェスティバル

・第7回:カンボジア国内のコロナ禍でのパラスポーツの活動自粛と再開

・第8回:日本のパラリンピアンとの絆

・第9回:カンボジアパラリンピックデー

・第10回:コロナ禍でも前進

・第11回:クラウドファンディングに挑戦!

・第12回:ロックダウン下でのトレーニング

・第13回:いざ東京パラリンピックへ!

・第14回:東京パラリンピックで歴史的快挙!!

・第15回:第26回アンコールワット国際ハーフマラソンの開催決定!

・第16回:新スタジアム(MORODOK TECHO NATIONAL STADIUM)の完成とアンコールワット国際ハ ーフマラソン

・第17回:バッタンバン州にてパラ陸上選手選考会を実施

 

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