子供天国
子供天国
2012.02.10

はじめまして、猿田壮也と申します。去年の12 月1 日に、オンドン・ルッセイ村に着任しました。私自身は、当プロジェクトでこの地を訪れるのは三度目。前2回は単身赴任でしたが、今回は妻と娘(4 歳)が、一緒です。かねてから子供の歳を考えても今しかないので、是非家族で渡航したいと考えていたのですが、いざとなると、色々な心配事が湧き上がってきました。

妻は、このプロジェクトの参加を後押ししてくれた張本人なので、心配はなかったのですが、娘はまだ4歳になったばかり。言葉も通じない中、友達は出来るか、ちゃんと遊べるか、変なものを食べてお腹を壊したりしないか、などなど。

 /></a>着任から約1ヵ月半経っていますが、あの時の心配事がバカらしく思えるほどに、娘はカンボジアに順応しております。</p>
<p>初日から、近所や村の子供たちと、あっという間に打ち解け、昔からの友達のように思いっきり遊び、知らないうちに私たちも食べた事のない木の実や、よく分からない食べ物をもらっては食べ「食べちゃった! 美味しかったよ」と、事後報告。そんな娘だけが、今のところお腹を壊していません。</p>
<p>我が子の順応性には驚きましたが、行く先々で相手をしてくれるクマエのちょっと年上のお兄ちゃんお姉ちゃんにも、とても驚いています。目を放さず、危ない時は手を引いてくれ、本気で遊んでくれるのです。みんな小さい頃から、下の子の面倒を日常的に見てきたのでしょう。とても慣れているというか、頼もしいというか。</p>
<p>この村では、5歳くらいの子供が、1歳ほどの赤ちゃんを小脇に抱え歩いている光景をよく見ます。ヒヤヒヤして見ていると、色んな所から大人の声がかかります。誰も見ていないかと思いきや、誰かしらが見ているのです。この村の中にいれば、村全体で見守っている。そういう感じがします。</p>
<p>たくさんの温かい目に見守られながら、伸び伸びと遊び、子供社会の中で、良い事悪い事などの多くを学び、よく笑い、よく泣き、よく怒られ……。このオンドン・ルッセイ村は、子供天国! ある意味、子供を育てる理想的な環境なのかもしれません。</p>
<blockquote>
<p><a href= width=猿田さんは、千葉県市川市出身の44 歳。青森県五所川原市で陶芸家として活動しています。現在は、素焼きの鍋で知られるコンポンチュナン州オンドン・ルッセイ村で、陶工たちに釉薬(ゆうやく)を使った陶器製造技術を伝える専門家として同州に滞在中です。村には、栃木県益子の国際陶芸協会の支援などで完成した登り窯があり、それを活用する形で日本財団の「カンボジア伝統陶器プロジェクト」が2009 年に開始されました。猿田さんは、岩見晋介さん、北村工さん、饗庭孝昌さんに続く4 代目の長期滞在専門家です。

2012.2月-3月号(第57号)掲載

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

関連記事

土器作り 60 年

2015.12.29 未分類

土と生きる

2015.09.01 未分類

ケーマ

2015.06.28 未分類

男性陶工

2015.03.02 未分類

2014.12.23 未分類

ハガーレストラン

2014.11.04 未分類

村の新しい選択

2014.11.02 未分類

アレーバー

2014.08.27 未分類

ワンモア

2014.06.29 未分類

ドレ

2014.04.30 未分類

おすすめ記事

アンコール見聞録 #38 遺跡を上から見る

2023.09.12 アンコール見聞録シェムリアップ文化

アンコール見聞録 #34 遺跡写真館

2023.01.12 アンコール見聞録シェムリアップ

アンコール見聞録 #29 変わるもの、変わらないもの

2022.03.04 アンコール見聞録シェムリアップ

【旅育!!ノマド家族。】⑯プノンペン市内でも旅育!

2022.01.05 【旅育!!ノマド家族】プノンペン

アンコール見聞録 #25 紙幣の図柄をよく見ると

2021.07.08 アンコール見聞録シェムリアップ

(日本語) NyoNyum111号特集:⑤食材以上の価値を秘めたプラホック

2021.03.05 カンボジア料理レシピ(生活)文化特集記事