(日本語) クメール語(カンボジア語)講座#2:数詞を使った表現
(日本語) クメール語(カンボジア語)講座#2:数詞を使った表現
2020.02.08

NyoNyumの発行元のカンボジア情報サービス(CJS: Cambodia Joho Service inc.)は通訳・翻訳サービスも展開しています。

そのサービスとクメール語(カンボジア語)について多くの人に知ってもらおうと、クメール語の簡易講座を始めました。

CJSの日本語-クメール語(カンボジア語)通訳・翻訳士が監修した伝わりやすいカタカナクメール語を、テーマごとにお届けしていきます。

今回は、前回の講座「数詞と代名詞」で取り扱った、数詞を利用した表現を紹介します。

 

基本のクメール語(簡単な数字表現)

前回は、数詞と代名詞を紹介しました。

この2種類の基本単語だけではほとんど意味を成しませんが、これに新しい言葉を付け足すことでいろいろな表現ができます。

今回は数を数えたり、数や日付を聞いたりと、数詞(数字)を利用した表現について説明します。

 

数詞を使った表現

数字は「数字そのもの」としてだけでなく、「物の数や量(数量)」を表す目的でも使われます。

たとえば、日本語では「1」と「1人」で読み方が変わるように、数字は同じでも別の表現になります。

この数字と数量の変化を作っているのが助数詞です。

 

助数詞

助数詞とは、数詞の後ろに付いて「その数が何をあらわすか」を示す言葉です。物を数える単位とも言えます。


1日、2人、3個、4時間
(「日」、「人」、「個」、「時間」が助数詞)

クメール語でもこの要素があり、物を数えるときだけでなく、物の数や量を聞くときにも使います。

 

以下に、代表的な助数詞を紹介します。
Xには任意の数(1:ムォイ、2:ピーなど)が入ります。

X時間(時の長さ): X-マオン

X分間(時の長さ): X-ニァテ

X日(長さとして): X-タガイ

X回(回数): X-ドーン

X人(人数): X-ネアック
(「あなた」を意味する代名詞:「ネアック」と同じ)

Xキログラム(重さ): X-キログラム / X-キロ

Xキロメートル(距離): X-キロマエッt / X-キロ
※キロマエッt:最後にt(タ行の子音)を置く


1時間: ムォイ-マオン
2分間: ピー-ニァティ
3回: バイ-ドーン
4人: ブォン-ネアック

 

助数詞を使って数、量を聞く

助数詞を使って数量を聞く場合は、先頭に「タゥ」をつけて、数詞を「ポーンマン」と入れ替えます。

数詞(数)+ 助数詞

タゥ+ ポーンマン  + 助数詞

この「タゥ」は、疑問文を作るときに登場しますが、省略されることもあります。

「ポーンマン」は「どのぐらいの量、数」かを聞く言葉で、英語の how much のような働きをします。

答えるときは、逆に「タゥ」を取り外して「ポーンマン」を数詞に置き換えます。

例:
何日間ですか?: タゥ-ポーンマン-タガイ?
3日間です: バイ-タガイ

 

時刻、日にちを言う

「バイ-タガイ」は数量としての「3(さんにち)」であって、日にちの「3日(みっか)」ではありません。

「あれから3日」や「3日間の旅行」というような期間としての日数を示す言葉として使います。

ピー-マオン-プラム-ニァティ:2時間5分(の長さ)
ドップ-タガイ:10日(の長さ)

 

しかし、数詞と助数詞を入れ替えると、特定の日付や時間を表すことができます。

マオン-ピー-プラム-ニァティ:2時5分
※「5分」を表す「プラム-ニッティ」の順番は変わりません。
タガイ-ティ-ドップ:(ある月の)10日

日にちを表すときは、間に「ティ」が入ります。
この「ティ」は「X番目」を表す言葉で、「タガイ-ティ-ドップ」は「10番目の日」という意味になります。

従って「(ある月の)10日」となるのです。

 

時刻、日にちを聞く

時刻について尋ねる際も、先頭に「タゥ」をつけて数詞を「ポーンマン」に入れ替えます。

何時ですか?:タゥ-マオン-ポーンマン?
※何時間ですか?:タゥ-ポーンマン-マオン?
何日ですか?:タゥ-タガイ-ポーンマン?
※何日間ですか?:タゥ-ポーンマン-タガイ?

答え方も、「タゥ」を取って「ポーンマン」を数詞に変えます。

8時20分です:マオン-プラム-バイ-モペイ–ニァティ
※8時間20分です:プラム-バイ-マオン-モペイ-ニァティ
(ある月の)17日です:タガイ-ティ-ドップ-プラム-ピー
※17日(の長さ)です:ドップ-プラム-ピー-タガイ

 

値段を言う

カンボジアのお金の単位は「リエル」と「ダラー」があります。使い方はこれまでの助数詞と同じです。


10ドル:ドップ-ダラー
4500リエル:ブォン-ポァン-プラム-ローイ-リエル

「ダラー」はよく使いますが、「リエル」は普通省略されます。

「ニッ」や「ヌッ」の指示代名詞をつけることもできます。つける場合は先頭に置きます。


これは5ドルです: ニッ-プラム-ダラー
あれは2000リエルです: ヌッ-ピー-ポァン
※正しい文法としては、状態を表す言葉「クー」が入りますが簡単化のために省略しています。

 

値段を聞く

値段を聞く場合は2通りの方法があります。

方法1: 助数詞とおなじ

これまで同様に「タゥ」を先頭に付けて、数字を「ポーンマン」で置き換える。


これは12ドルです:ニッ-ドップ-ピー-ダラー
これは何ドルですか?:タゥ-ニッ-ポーンマン-ダラー?
あれは3500リエルです:ヌッ-バイ-ポァン-プラム-ロイ-リエル
あれは何リエルですか?:タゥ-ヌッ-ポーンマン-リエル?

 

方法2: 慣用表現

値段を聞くのに以下のフレーズがよく使われます。

タライ-ポーンマン

この「タライ」は「値段が高い、高価な」という意味があります。


これはいくらですか?:ニッ-タライ-ポーンマン?
これは5000リエルです:ニッ-プラム-ポァン

 

一般的に、特に指定しない場合のお金の単位はリエルです。
ドル単位で聞きたい時には「ダラー」をポーンマンの後に付けます。


あれは何ドルですか?:ヌッ-タライ-ポーンマン-ダラー?
これは40ドルです:ニッ-サェ-サップ-ダラー
高い!(驚き):タライ!

 

おまけ:クメール語は「後ろを取り出す」?

日本語はニックネームをつけるとき名前の前側を取り出して省略することが一般的です。


ボン(年上の人への敬称)-ユキエ(人名) >  ボン-ユキ

 

対して、クメール語は後ろを取り出す形で省略します。


ボン-チャンラー>ボン-ラー

 

もちろん、例外はあります。

ちなみに、この法則に従ってかどうかは定かではありませんが、「タライ-ポーンマン」は、「タライ-マン」と略されます。

さらに、値段を聞いていることが確実にわかるときは、「マン」になるそうです。

 

次回

1回目の講座で登場した、もう一つの文法要素である「代名詞」は、それ単体では数詞よりも使い道が少ない言葉です。

しかし、動詞と組み合わせると、代名詞は「魔法の言葉」になるのです。

次回は、「魔法の言葉」を使いこなすために必要な基本的なルールといくつかの動詞を紹介します。

クメール語講座一覧

1: 数詞と形容詞
2: (本記事) 数詞を使った表現
3: 文法ルールと単語
4: 動詞と助動詞と疑問詞

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