(日本語) パラスポーツinカンボジア⑥「陸上クリニックと絆フェスティバル」
(日本語) パラスポーツinカンボジア⑥「陸上クリニックと絆フェスティバル」
2020.05.12

4/10にカンボジア生活情報誌NyoNyum106号を発行しました。

NyoNyumにて101号から連載している、カンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香(よねやま・はるか)さんが普及活動の様子を紹介するコラム Para-Sports in Cambodia! をNyoNyum WEBでも公開します。

第6回目の今回は、2月に開催された陸上クリニックと絆フェスティバルの様子です。

 

ハート・オブ・ゴールドとは


1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。

2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。

被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。

特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。
※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより

パラスポーツとは


障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。

日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。

最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。※東京パラリンピック詳細はこちら

 

陸上クリニックと絆フェスティバル

車いす選手に指導する三井先生(中央)

2 月10 日、11 日に、日本パラ陸上競技連盟理事長であり、日本福祉大学スポーツ科学部医学博士の三井利仁先生がカンボジアに来てくださり、パラ陸上の主に車いす選手・コーチに対してクリニックを開催してくださいました。

三井先生は2017 年に当会が実施したSports for Tomorrow 事業でもワークショップをしてくださっており、今回は2 回目の渡航となりました。

まずはスタート時の姿勢についてご指導を受け、改善されれば、あと0.3 秒縮めることができるとアドバイスをいただきました。

NyoNyum103 号で紹介した注目の車いす選手、ヴァン・ヴォンさんはあと0.3 秒縮まることで世界ランキング上位に近づくことができます。

また、ひとりひとりのフォームをビデオで撮影し、一緒に見ながら改善点のアドバイスをしてくださいました。先生自ら自転車をこぎながら車いす選手のフォームを撮影していました。

選手はタイムを上げるため、少しでも良い技術を身に付けようと、たくさん質問しながら学んでいる様子がうかがえました。

次のASEAN Para Games 等の国際大会ではメダルを目指して、頑張ってほしいと思います。

 

 

また、2 月21 日には絆フェスティバルで“Activity with Para-Athletes” という題で、パラスポーツ体験会を実施しました。

こちらも車いす陸上選手を招待し、参加したカンボジアの学生にパラ陸上の説明や競技用車いすのレーサー体験をしてもらいました。

子どもたちはパラスポーツについて何も知らないようでした。

SEA Games は知っていてもASEAN Para Gamesについては誰も知りませんでした。この機会が彼らにとって良い経験となり、少しでもパラスポーツに興味を持ってくれるきっかけとなったらうれしく思います。

絆フェスティバルでの競技用車いすレーサー体験の様子

 

この記事を書いた人:米山遥香


カンボジア在住5年目の27歳。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2年間インターンとして活動し、3年目から職員に。

これまでの記事

・第1回:ハート・オブ・ゴールドがカンボジアでパラスポーツ支援を始めたきっかけ


・第2回:カンボジアパラ陸上競技会と プノンペン補習授業校の社会科見学

・第3回:注目のパラ陸上選手を紹介!

・第4回:アンコールワット国際ハーフマラソンへ向けて&結果報告

・第5回:第10回ASEAN Para Games へ向けて

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