(日本語) パラスポーツinカンボジア⑨カンボジアパラリンピックデー
(日本語) パラスポーツinカンボジア⑨カンボジアパラリンピックデー
2021.01.18

カンボジア生活情報誌NyoNyum 101号から連載している、カンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香(よねやま・はるか)さんが普及活動の様子を紹介するコラム「Para-Sports in Cambodia!」をNyoNyum WEBでも公開します。

第9回目の今回は、10月24日のカンボジアパラリンピックデーについて紹介します。

 

ハート・オブ・ゴールドとは


1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。

2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。

被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。

特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。
※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより

パラスポーツとは


障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。

日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。

最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。※東京パラリンピック詳細はこちら

 

カンボジアパラリンピックデー

式典でスピーチするジー・ビスナ氏

2020年10月24日カンボジアパラリンピック委員会(NPCC)は設立23周年を迎え、すべてのパラ競技のアスリートを集め、式典が行われました。

驚かれた方もいるかもしれませんが、実は長い歴史があります。

カンボジアが初めてパラリンピックに出場したのは2000年のシドニーで、スタンディングバレーボール*1の競技で出場しました。

その後はパラ陸上の選手が出場していて、2016年リオパラリンピックまで、カンボジアは毎回出場しています。

残念ながらまだメダルは獲得できておらず、ユニバーサリティーワイルドカード枠*2での出場となっています。

NPCC事務局長のジー・ビスナ氏は、NPCCの前身となる国立障がい者センター(NCDP)を立ち上げており、社会福祉省や様々なNGOと協力して「障がい者スポーツデー」としてオリンピックスタジアムに障がい者を集めてスポーツイベントを行っていました。

そこに招待されたフン・セン首相が感銘を受けたことにより、1997年10月24日にフン・セン首相が会長、ジー・ビスナ氏が事務局長としてNPCCが立ち上がりました。

現在は2023年にカンボジアで開催されるASEAN Para Gamesに向けて準備を着々と進めているようです。

23周年記念式典にてジー・ビスナ氏は、「様々な障がいクラスのパラアスリートを350人以上育成していくことが急務であり、特に若い世代のアスリートはメダル獲得を目指し、トレーニングに励んでほし
い。

また10月24日がNPCCの誕生日であることを忘れないでほしい、みんなはこれからカンボジアのパラスポーツ発展のために共に歩んでいく仲間である」と話していました。

10月24日がカンボジアパラリンピックデーとして根付いていってほしいと思います。

 

 

*1 上肢や下肢に障がいのある選手が立って行う6 人制バレーボールのこと。

*2 パラリンピックの出場資格枠を競技成績で獲得できなかったか、1名のみの選手枠しか得られなかった各国のパラリンピック委員会に対して附与される出場者枠。パラリンピック競技大会の基本理念から、選手が最大限参加できることを保証するために設けられた参加枠割り当て方法。

 

この記事を書いた人:米山遥香


カンボジア在住6年目の28歳。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2年間インターンとして活動し、3年目から職員に。

これまでの記事

・第1回:ハート・オブ・ゴールドがカンボジアでパラスポーツ支援を始めたきっかけ


・第2回:カンボジアパラ陸上競技会と プノンペン補習授業校の社会科見学

・第3回:注目のパラ陸上選手を紹介!

・第4回:アンコールワット国際ハーフマラソンへ向けて&結果報告

・第5回:第10回ASEAN Para Games へ向けて

・第6回:陸上クリニックと絆フェスティバル

・第7回:カンボジア国内のコロナ禍でのパラスポーツの活動自粛と再開

・第8回:日本のパラリンピアンとの絆

 

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