(日本語) ジャム製造を通じて精神障がい者を支援するNGO。その代表が考える本当の自立とは ?
(日本語) ジャム製造を通じて精神障がい者を支援するNGO。その代表が考える本当の自立とは ?
2020.11.10

カンボジア国内で配布しているフリーマガジンNyoNyumで連載中のハラハタミオさんがカンボジア人社会起業家の活動を紹介するコラム「ソーシャルマッチ for SDGs」をNyoNyum Webでも公開!

第9回目では、NyoNyum109号で掲載した、ジャム製造を通じて精神障がい者を支援するNGOを紹介します。

 

ソーシャルマッチ for SDGs とは

これまで「# value!」という名で現地社会起業家とつながれるサービスを提供していました。

そして2020年より、私たちが生きる社会を前進させるマッチング、ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)とのマッチングという思いを込めて「ソーシャルマッチ for SDGs」に変更。

カンボジア人社会起業家とつながることができるマッチングサービスを展開しています。

社会起業家が取り組む事業は、医療、福祉、環境、食品、モノづくり、インフラ、交通、教育、芸術など多岐にわたります。

社会起業家との情報交換や、協業・研修・視察などご興味がある方、お気軽にソーシャルマッチまでお問い合わせください!

ソーシャルマッチ for SDGs ホームページ

ジャム製造を通じて精神障がい者を支援するNGO。その代表が考える本当の自立とは ?

工房でジャムを手作りする様子

カンボジアには多種多様なフルーツが沢山あるが、その中から時期に合わせて新鮮な果物のみを使用した手作りジャムを製造しているジャム工房がある。

こちらの工房で働くのは、18 歳以上の精神障がい者の人たち 。

代表のセフワン氏は「18 歳未満の精神障がい者への支援はあるが、それ以上の年齢となると支援が少なくなる。

村に帰っても彼・彼女たちが自立して生活が送れるよう支援をしている」と語る。

ここで手作りするジャムは、果肉がたっぷり入っているのが特徴的で、マンゴー×パッションフルーツなどのミックスフレーバーから、パイナップルやカスタードアップルなど単体のフレーバーまで12 種類以上ある。

1 つ 1 つを手作りで2 日間かけて丁寧に製造されている。

▲代表のセフワン氏(設立者はフランス人のピエール・チェトクチ氏とマリエ・チェトクチ氏夫妻)

プノンペンにあるジャム工房を訪れると、精神障がい者の自立支援を促進する工夫が沢山あった。

工房が併設された施設ではスタッフと精神障がい者の人たちが共同生活をしており、1 人 1 人の体調に合わせて毎日のスケジュールを設計して生活リズムを整えている。

さらに、家庭菜園を設けて自給自足をしたり、古着を回収して施設内で低価格で販売することで、精神障がい者の人々にものを大切にすることや、お金の重要さを教えている。

この施設には入口に鍵もセキュリティガードも設けておらず、スタッフみんなが精神障がい者の人々を尊重している。

代表は「みんなここを自分たちの家みたいに思っているから逃げ出す人もいない。

規則や鍵などを設けて精神障がい者の方々の行動を制限するのではなく、自由に過ごす中で間違った方向に進んでいればサポートをしてあげるのが一番の自立への近道だと思う」と語る。

 

 

この記事を書いた人:ハラハタミオ

1992 年生まれ、愛媛出身。
大学卒業後
アリババ株 式会社を経て、2016 年プノンペンにある人材紹介会社 CDL に入社。同オフィス内に本を自由に共有できるプノンペンブックポスト(通称 PPBP)の設置、コミュニケーションが生まれる T シャツ「カンボジア T2.0」販売。カンボジア人社会起業家を応援するプラットフォーム「ソーシャルマッチ for SDGs」の運営などさまざまな活動を行っている。2020年1月より法人化し、ソーシャルマッチ for SDGsのCEOに就任。

●個人ブログ:ハラハタミオ@カンボジア
●Twitter:@harahatamio
●Instagram:@cambodiat_2.0
●ソーシャルマッチ for SDGs: hash-value.com

これまでの記事はこちら!

第1回目:障がい者の自立生活センター「PPCIL」を設立したサミスさん

第2回目:村の貧困問題の解決と女性のサポートをしているチョムナップさん

第3回目:カンボジアの僻地に安全な水を届けることに命を注ぐ、ウィベンチャー社

第4回目:カンボジア在宅看護・介護ビジネスのパイオニア、フィルムさん

第5回目:親と子の2軸で持続的な教育支援を行うレイモンドさん

第6回目:僧侶が設立。若者への職業訓練を行うコンポンチャムのNGO

第7回目:性被害を受けた少年のサポートに取り組むカンボジアのスペシャリスト

第8回目:IT技術を活用し農家の貧困問題に取り組むカンボジア企業

 

NyoNyum108号について

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