(日本語) アンコール見聞録 #6 アプサラ機構専門家による熊本視察
(日本語) アンコール見聞録 #6 アプサラ機構専門家による熊本視察
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載しているコラム「アンコール見聞録」

上智大学アジア人材養成研究センター現地責任者として、シェムリアップでアンコール建築に関する研究を行っている三輪悟さんが、アンコール建築の歴史や、遺跡の周りで営まれる生活、カンボジアにまつわるあれこれを綴ります。

今回は、000

アプサラ機構専門家による熊本視察

2016 年 4 月の熊本地震では、県内の多くの文化財建造物が被災した。

上智大学は熊本における被災状況とその対応に学ぶことを目的として、この 1 月アプサラ機構の専門家ら 7 名と共に熊本を訪れた。

激しく被災した熊本城は安全上の理由により、現在ほとんどの区域において一般客の立ち入りが制限されている。

一行は熊本城調査研究センターの特別な許可を得て城内を視察した。城内の全石垣 973 面のうち 517 面が被害を受け、全体の 10% に当たる 8,200 ㎡が崩壊し大被害を受けた。本格的な復旧には今後相当の時間を要することが予想される。

市内から車で 1 時間半ほどの山間部に、19 世紀の中ごろに架けられた通潤橋と呼ばれる石造のアーチ橋(重文)がある。

通潤橋の修復現場で尾上一哉社長の説明 を聞く一行
通潤橋の修復現場で尾上一哉社長の説明を聞く一行

先の地震で漏水被害などを受けた。修復を担当する尾上建設の尾上一哉社長は「この石橋は庶民の為に作られた橋であり、その意義と価値を知って欲しい。地域の宝だ」と力説され、一行は聞き入っていた。

九州には多数の石橋 があり、今後石職人同士の交流などに発展することを期待したい

(この記事は2018年4月に発行されたNyoNuym94号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 三輪 悟(みわ・さとる)

上智大学アジア人材養成研究センター(シェムリァップ本部)助教
1997年10月よりシェムリァップ在住。専門はアンコール建築学。NyoNyum89号(2017年6月号発行)より遺跡やカンボジア生活にまつわる本コラム『アンコール見聞録』を連載。

 

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1:アンコールトーイに行ったことありますか?
2:「今日はいい天気?」~日本とカンボジア~
3:あれから20年
4:カンボジアは日本の先輩!?
5:アンコールワット西参道前の広場
6:アプサラ機構専門家による熊本視察

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