(日本語) どうしましたか #50 風疹ワクチン「も」うちましたか?
(日本語) どうしましたか #50 風疹ワクチン「も」うちましたか?
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法まで「カンボジアにおける医療のよしなしごと」を愉快に綴ります。

今回は、風疹と風疹ワクチンの接種について。

風疹ワクチン「も」うちましたか?

前々回のこのコラムで、麻疹ワクチンについて書いたが、今回は風疹ワクチンについてである。

現在日本では風疹が流行していて、政府はワクチン接種をさかんに呼びかけている。
実は 2013 年の流行時にも、日本政府の強い接種勧奨があり、筆者も『風疹ワクチンと CRS』という題で寄稿した。

CRS とは Congenital Rubella Syndrome(先天性風疹症候群)のことで、免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんが先天性心疾患、難聴、白内障、発育遅滞、精神発達遅滞などを持って生まれてくることをいう。

大人になってから感染しても、麻疹と違って風疹は重症化することは少ないが、CRS の発生を防ぐためにワクチン接種が勧められているのである。

以前は女子にのみ中学生時に 1 回接種が行われていたが、男女ともに 2 回接種を行うようになったのは 2006 年でわりと最近のことである。

抗体を持っていない男性(特に今の 30 代以降)が海外に行って感染し、日本に持ち帰って感染を拡大させるという例も増えている。

カンボジアでは現在特に風疹が流行しているという情報はないが、今までに風疹にかかったことがない人、ワクチンを 2 回受けたことがない人は、男女ともぜひワクチンを接種していただきたい。

日本では MR(Measles 麻疹 + Rubella 風疹)、日本以外の諸外国では MMR(MR + Mumps おたふくかぜ )の 3 種類が1本の注射器に入ったワクチンが一般的である。
これ1本で、前々回説明した麻疹ワクチンも一緒に接種できてしまう。みんなで自分自身を、そして赤ちゃんの未来を守ろう。

(この記事は2018年10月に発行されたNyoNuym97号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

ケン・クリニックホームページ

 

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40:ビールと血糖値の関係
41:「消化の良い食べ物」とは?
42:インフルエンザ予防は年2回のワクチンで
43:飲むなら「ゼロ」
44:イボはテープで治せる!
45:ジカ熱がカンボジアに!?
46:子どもの食物アレルギーの原因と予防法
47:猫に咬まれて失明!
48:麻疹ワクチンをうちましたか?
49:ざんねんな(?)デング熱ワクチン
50:風疹ワクチン「も」うちましたか?

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