NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味。恵み豊かなカンボジア
でのスローライフをお届けします)
シェムリアップで暮らす小出陽子さん。NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。
今回は、「カンボジア国王がいらっしゃる!?」です。
カンボジア国王がいらっしゃる!?
半年ほど前から、バイヨン高校・附属中学校の隣の敷地でお寺の建設が行われているようだと、時々様子を見ていたのですが、12月中旬、ついに完成しました。そして、落成式の直前、看板や門が設置さ
れてはじめて、その施設は寺院ではなく、僧侶や一般市民が瞑想を行うための瞑想センターだということがわかりました。カンボジアの上座部仏教には王室仏教のトマヨッ派と一般庶民仏教のモハニカイ派の2つの宗派があるのですが、この瞑想センターは王室仏教のトマヨッ派のもので、そのため、式典にはノロドム・シハモニ国王がご臨席されることもわかりました。
バイヨン高校の敷地のお隣に、カンボジア国王がいらっしゃる!・・・学校だけでなく地域住民にとっても一生に一度あるかないかの大きな出来事です。そのため、数週間前から、バイヨン高校も巻き込まれて、大掛かりな準備が進められていました。というのは、式典の数日前からカンボジア国内外の僧侶や関係者が総勢1000人来訪し準備を行うので、バイヨン高校が彼らの宿泊場所になるというのです!
学校はちょうど長期休暇中で授業がなかったからよかったものの、僧侶たちは、学校の中庭や廊下に沢山のテントを張って、炊事や洗濯を行いながら“生活”していたのでした。数年前からカンボジアで大流行の“キャンプ用テント”と“僧侶”という組み合わせが意外でもあり、なかなかのインパクトのある光景が校庭で展開していました。そして、式典準備真っ最中の瞑想センターでは、トマヨッ派の大僧正にもお会いすることができました!
式典当日は、バイヨン高校の生徒たちは、道路沿いに並んで国王車列に旗を振る役目も含め全員なんらかの形で式典に参加しました。国王から直々に贈呈品を拝受した生徒もいました。
今年、2023年はバイヨン高校・附属中学校創立10周年となりますが、この記念すべき年を迎えるにあたって、なんとも幸先がいい滑り出しとなりました。
(この記事は2023年2月に発行されたNyoNuym123号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)
1992年早稲田大学大学院卒。一級建築士。2000年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のため、カンボジアに赴任。2005年~ 2020年、シェムリアップにてレストランCafe Moi Moi を経営。2005年JST(NGO:アンコール人材養成支援機構)を設立し、農村地域の支援活動を始める。2013年“アンコールの都の西北” に公立のバイヨン中学校を創設。2019年には高校も併設され、現在、全校生徒1,000 人の学校運営を行っている。
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38:4人目の勤続10年スタッフ
39:#cafemoimoi で繋がる輪
40:ノンちゃんはトリリンガル
41:粋なお福分け
42:魅惑のカンボジア発酵魚料理
43:NyoNyumとカンボジアと私
44:村の中学生たちの日常
45:中学校退学者のその後
46:バイヨン高校がほしい!
47:バイヨン高校、ついに開校!
48:他国事(ひとごと)ながら
49:”パプリカ“歌って英語授業!
50:”サイクリングブーム
51:将来の夢はYouTuber!
52:ナーガ・シンハ彫像修復プロジ ェクト終了!
53:Cafe Moi Moi コロナ禍で一時休業へ
54:バイヨン中高校先生方のコロナ禍副業
55:話し出したら止まらない“将来の夢!”
56:Moi Moi Farmでマンゴー狩り!
57:"一家に一農園"ブーム到来?
58:『インドラネット』
59:日本にもクメール寺院が!
60:コロナ禍乗り越え、 自立したスタッフたち
61:公立学校の教師不足、次なる一手へ
62:教師の頑張りに感謝!
63:政治はまつりごと、選挙は祭りなり
64:学校閉鎖中の生徒たちの学習はいかに?
65:“これまで” と“これから”
66:カンボジア国王がいらっしゃる!?
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